2016年12月25日

わが青春のトラウマ映画

今日はクリスマスということで。

今年も気付けば十二月、しかも下旬となりました。
世間的にも十一月ころから年末感が出てきますが、十二月も下旬となればもうほぼ来年です。

世のオッサンよろしく、僕も月日の経つ感覚が年々早くなっているわけで、店を開けたら向かいの魚屋がしまってて祝日なのを知り、次の日に天皇誕生日だったのをタイムフリーでラジコ聴いてて知ったのがまるで昨日の事のようです。

まあ、これはだいたいジャスト昨日の話なんですが。

こういった時間の加速感というのは、経験の蓄積と日常のルーティン化によるものだと言われますが、時間がたってもそんなに人間が変わる訳でなく、大抵の人は中学生くらいに身に着けた価値観や性質を核に生きてるから、そりゃあルーティン化もする訳だと思うのです。

気が付くと定期的に往年の名作を振り返ってしまうのもその現象の証左で、単にノスタルジーに浸るのと違いおなじ感動で足踏みしていることに満足を覚えてしまう。
そんな僕に、今年はサンタさんからのプレゼント。
中高生時代に僕の悲劇好きを加速させた作品のひとつ「ファントム・オブ・パラダイス」BD版です!

ブルーレイって結局あんまり需要がないのか、かつて買ったDVDは中々なお値段たったのですが、これ実勢価格でいま千円しないんで思わずポチリました。

内容はいまさら&思い入れ強すぎなので割愛しますが、とにかく画質がパッキパキにクリアで最高です。
あと細かいところでDVDで字幕の“消火器”が“消化器”になってた誤字が直ってたのも気持ち的にスッキリしました。

(あとでカードから引き落とされるとはいえ)サンタさんに頂いた個人所蔵品なので店には出しませんが、商品的にとても良いので悲劇好きでブルーレイが観れる環境の方にはお勧めです。  

Posted by チェリー2000 at 17:47Comments(0)映画

2016年08月02日

この国はまだまだやれる


観てきました「シン・ゴジラ」。

正直、もう出涸らしちゃってないか庵野秀明という不安も少なからずありました。
実際、とくに新しい芸を出したわけでは無いんですが、その味は濃厚でけっして出涸らしては無かったです。

水爆怪獣ゴジラというオリジンを、3・11に置き換えて定義しなおすことで“ゴジラ映画”の呪縛から解き放つという大ナタを振るえたのは、それこそが真にゴジラへ再アプローチする方法だという確信があればこそなんでしょう。

またこの映画、日本映画の常識を覆すくらい映像のクオリティが高い。
おそらく相当の予算を組んだんだろうことは間違いないと思われ、とはいえハリウッドと比べれば何十分の一とかだと思うんですが、決して引けを取らない完成度で、これはハリウッドのSFXマン達に衝撃を与えるんじゃないかと期待してしまうレベル。
これまた不安要素であった樋口真嗣でしたが、ここまで出来るんならハリウッドに引き抜かれるんじゃないかと別の心配をしてしまいそうです。
進撃の巨人なんか無かったんや!
勝手に不安視してた両氏には正直スマンかった!
「帰ってきたウルトラマン」「八岐大蛇の逆襲」が時を経てここに辿り着いたのかと思うと、万感の思いがこみ上げて何にも言えねえ!

対ゴジラ作戦が地味&グレーな解決で海外では受けないかなと思わなくもないですが、先のレジェンダリー版ゴジラが凡作に見えるぐらい良い怪獣映画だったと思います。

ぜひ大ヒットしてしっかり稼いで、日本特撮復活のきっかけになって欲しいものです。


今週土曜日は淀川花火大会で商売にならないので臨時休業いたします。
よしなに。  

Posted by チェリー2000 at 21:14Comments(2)映画

2016年04月28日

夢先案内人

眠気を季節のせいばかりにする気はありませんが、店が暇すぎてウトウトしてると入店風鈴を鳴らさないほどそっと入ってきて、いつの間にかすぐそばに立ってる忍び寄るお客さんには、もう少し不躾であってほしいと願わなくもない今日この頃。
うつ伏せに長くなってたりするとバツの悪いこと、この上ありません。

そんな眠りを誘うなか今回観たのが「ストーカー」

監督は哲学的な内容と芸術的な映像美が眠気との戦いになりがちな、「タルい」の語源となったともいわれるアンドレイ・タルコフスキー。

一部嘘です。


「ある地域で“何か”(隕石が墜落したとも言われる)が起こり、住民が多数犠牲になり、政府はそこを「ゾーン」と呼んで立ち入り禁止にした。しかし、ゾーンには願いが叶うという「部屋」があると噂され、厳重な警備をかいくぐって希望者を「ゾーン」に案内する「ストーカー」と呼ばれる人々がいた。

ある日、ストーカーの元に「科学者」と「作家」と名乗る二人の男性が、その「部屋」に連れて行ってくれと依頼する。だが、命がけで「ゾーン」に入った後も、予想のつかない謎の現象(乾燥室、肉挽き機)で命を落とす危険が待っている。その道行きの中、「ゾーン」とは何か、「部屋」とは何か、信仰とは何かを3人は論じ合う。」(Wikipediaより抜粋)

以上が大筋で、これだけ見るといかにもSF的なサスペンスで刺激的なイメージを持ちそうですが、正直そういった調味料は入ってません。

難解でお馴染みのタルやんの作品を僕のようなクズ映画ウォッチャーが評するのは、口はばったいのですが、3人の主要登場人物と彼らが語るエピソードは、タルコフスキー自身と彼を取り巻く周囲の状況や声を集約したものかと思われます。

映画制作という余人を寄せ付けぬ世界を巧みに渡り歩く、特別な能力を持った芸術家としての誉と誇り、それが必ずしも個人としての幸福に結びつかず家族を犠牲にしている罪悪感との葛藤を表現した極めて私的な作品が、この「ストーカー」という映画ではないでしょうか。

大掴みに平たく言うとオッサンの愚痴だと思います。

映画のラスト、劇中“お猿”と呼んであまり顧みられていないように見えるストーカーの娘に、ある兆候が現れます。
そこにタルやんの我が子への祈りにも似た愛情を感じられたなら、2時間半が3時間にも4時間にも感じるこのお得な映画に最後まで付き合った甲斐があったと思えるかもしれません。  

Posted by チェリー2000 at 21:34Comments(0)映画

2015年04月09日

マイ☆ドク マイ☆ヒーロー

まいど!

そんな柄にない挨拶ではじめたい気分にさせられる映画、「マイドク」を鑑賞。


ずいぶん古い作品で、当時ちょっとだけ話題になってたので記憶にあるのですが、まず意味不明なこのタイトルに目を引かれます。
というのもタイトルロゴの下に

「いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか」

が併記してあり、これが本来のタイトルで「マイ」と「ドク」を取って縮めたものだとわかるからです。


なんだそりゃな感じですが、この珍奇なタイトルはやっぱり邦題で、原題は「DEATH WARMED UP」とクレジットされてました。
意味は“だいぶ具合悪い”ということなので、まあ作ってる側も自覚してるレベルなんだろうと察するも、そこはクズ映画観ることには慣れてますから、むしろどれくらいダメか逆に期待が膨らむというもの。

そんな事を思って見てると、ザラついた映像で兄ちゃんがだだっ広い芝生の中を走ってくる光景に既視感を覚える。
なんかに似てると思ったら「バッドテイスト」のロケーションと非常によく似ている。
それもその筈で、この作品もおなじニュージーランドの映画でした。

たぶん当時の向こうの一般的な町並みなんじゃないかと思われますが、正直かなり田舎っぽい。

この兄ちゃんがマイケルなんですが、いそいで病院に入っていくと、マイケルの親父とハウエル博士の口論を目撃。
どうやら不老不死の研究を一緒にやってたっぽいのですが、ハウエル博士のマッドぶりについて行けずにモメてる模様。

ただこの際、親父は“これ以上息子を実験台にしないでくれ!”と叫んでいて、この親父もだいぶアカンところまで踏み込んでるのに、今さら何に引っかかって協力を拒むようになったのか気になりますが特に説明はありません。

そんな不気味な話を聞いてパニックに陥ったマイケルくん、その場から一目散に逃走。
しかしどうしてか逃走失敗し、博士に追い詰められる。
パニックで大汗かいてるマイケルくんに“ひどい汗じゃないか、シャワーを浴びたまえ”と、状況考えない提案になんとまんまと乗ってしまうマイケルくん。

それどころか先程までのパニック状態が嘘のように全力でシャワーを堪能するマイケルくん。

ついさっき自分の父親に殺害予告をしていた人間に、全裸で背中を向けられる神経の太さにこっちが戸惑っていると、まんまと注射で昏倒させられるマイケルくん。
件の研究の成果なのか怪奇大作戦「狂鬼人間」状態にされて両親をショットガンアタックで殲滅すると、心神耗弱ということで角に無理やり作ったような窄まった三角部屋の精神病院に放り込まれる羽目に。

冒頭だけでこれほどカオスな展開。
その後、タイトル通りドクター・ハウエルに復讐すべくハウエル博士の病院島みたいなところに、彼女となぜか友達のカップルまで連れて戦いを挑みにかかり、なんかよくわからないけどハウエル博士を殺害。

友達のカップルは死んじゃったけど復讐を果たしたマイケルくん、車で逃走中なぜか下車してそこに切断した高圧線が降ってきて感電死して完。

なんじゃこりゃ。
当時「宇宙船」かなんかの広告で見て以来、記憶の片隅に残り続けていたカルト作品でどこかで少し期待していた自分がいた事を、いざ観終わったあとの感情の揺り戻しから知るという、これもまたダメ映画を観る醍醐味かもしれません。

敢えてオチまで書いたのは、まかり間違って何か期待して観てしまう人が出ないようにという仏心からです。

しかし貴方も、そんな時間をドブに捨てるような行為にエモーションを感じてしまう因業者であるなら、ネタバレなんか気にするような繊細なタチではないでしょうから、勇気を奮って手を出してみるのもいいかも。

まあ当時の僕がなけなしの小遣いでビデオ借りて観てたらブチギレてショットガンアタックかましたくなったでしょうけどね。  

Posted by チェリー2000 at 22:26Comments(0)映画

2015年03月26日

目立たぬように、はしゃがぬように

日誌と言いながらすっかり月報になりつつあるこのブログも、年月を経て気付けば1000を越える記事数となりました。
最初の一年分くらいは削除してるので、実際には千数百になってるでしょうか。

止めずに続けていれば、なにがしかの結果につながっていってほしいと、希望をつなぎながら長い日々を生きていくのが人生というものかもしれません。

無理にこの摂理を歪めればいかなる悲劇が待っているかもしれない、という映画「エンブリヨ」を観ました。



夜中に車で家路を急いでいると、飛び出した犬をはねてしまい連れ帰って治療するも及ばず。
しかし妊娠していた子犬だけでも助けようと、たまたま細胞の成長促進を研究していた博士だったので、母体から切り離しても大丈夫なレベルまで成長させて見事に救命。

図らずも実験成功してしまって、ぜひにも人体実験したくなる主人公。
知り合いの医者に頼んで、流産間近の胎児をゲットして人体実験を敢行するも犬のようにはいきません。
抑制がきかずにどんどん成長してしまうも、紆余曲折あってなんとか安定した時にはすっかり大人のお姉ちゃんになってました。

ヴィクトリアと名付けられたお姉ちゃん、まるで白紙状態でしたが、薬のおかげで驚くべき知能を持って育ったのであっという間に知識を身につけ、人々を魅了する岡村靖幸言うところならスーパーガール、永井真理子言うところならミラクルガールへと変貌していくのでした。

人並以上の輝きを放ちながら、生きるはずのなかった命を謳歌するヴィクトリアでしたが、深夜で人気だったのをゴールデンに持ってきてズッコケるように、自然の摂理を逸脱したしっぺ返しは確実に忍び寄っていたのでした…。




サスペンスフルな演出に「フランケンシュタイン」風のホラー作品をイメージしますが、展開や雰囲気は「アルジャーノンに花束を」によく似てます。
と思ったらこの作品「まごころを君に」のラルフ・ネルソン監督作品でした。

本人による二番煎じ感は否めないものの、真面目に作られた古典的SFサスペンスとして、その筋の人ならそれなりに楽しめるかもしれません。
古い作品なんで普通に字幕で見ちゃったんですが、実は吹き替えもついてるので気楽に観れるんじゃないでしょうか。


ただ映画そのものの問題ではありませんが、とりあえず猛烈に画質が悪くて、またメガネ合わなくなったのかなと文字通り我が目を疑うほど酷い。



いよいよ野球シーズンがやってきてオフシーズンの番組が軒並み終了してしまいました。
特に今季はやたら長寿番組が終わる傾向が強くて、寂しい限りです。

最近お気に入りだったラジオ日本の「宮川賢の日曜エピキュリアン エブリー」が実はオフ番組で「宮川賢の日曜エピキュリアン」が本来のタイトルで、いわゆる雨傘番組だったという事に愕然とするこの頃ですが、与えられた枠の中でコツコツ地道に続けてもらえる事をありがたいと思うことにします。  

Posted by チェリー2000 at 23:10Comments(0)映画

2015年03月11日

コンガラ・コネクション

ボードゲームの一種にテーブルトークRPGという知る人ぞ知るジャンルがあります。
ゲームによって変わりますが、基本的に紙に書いたキャラクター・シート一枚とサイコロを持って物語を司るゲームマスターと対話しながら進めていく、なにより想像力と協調性を必要とするストイックな遊びです。

僕はゲームと名の付くものは大抵好きなんですが、コレに関しては心得た人材が複数名揃わないといけないハードルが高くて、中学の一時期しかやれませんでした。

なかでも僕がマスターをやったのは僅かで、その際に僕はインテリジェントアイテムを登場させ、プレイヤーがシナリオ通りに進めない時にコイツに口を挟ませて軌道修正するという“手際の悪い新人の仕事を横から自分でやってしまうベテラン”的な、最低のマスタリングで場をシラケさせた事がありました。


今回のいまさら映画鑑賞会は、そんな僕の大昔のプチ・トラウマを思い出させる為に作られた映画

「her/世界でひとつの彼女」


スパイク・ジョーンズ監督のSF作品です。

別居中の嫁と離婚秒読み状態ながら未練を引きずる中年ヒゲ男が、導入した学習型の新OSに人格を感じ愛し合いはじめるという、一見するとアニメキャラに恋する現実逃避負け犬オヤジ的な話のようですが、まったく異なります。

第一にこのヒゲは別居嫁に対して苦悩しながらも個人として向かい合い、嫁のいない寂しさを別の交際で紛らわそうとするくらいには社交性も行動力もある。
「代筆屋」というけったいな仕事をやってるだけあってナイーブなタイプで、一番近い存在が女友達と少々ゲイっぽくはあるけれど、けっして引きこもり的な社会生活不適合者ではないことを丁寧に描いているのは、観客に“普通じゃない人間のこじらせ系の話”で逃げられないようにするためでしょう。

これは誰にでも通じる普遍的な「愛」や「人間性」や「倫理」やら「自我」やら、諸々についての形而上学的思索を、恋愛ドラマを縦糸に思弁的に問いかけた、実にSF的な映画だと思いました。

映像面もガジェットにはかなり未来的な要素があるものの、ほとんどは現代の風景そのままロケで使っていると思われ、それでいて齟齬のないくらいに適度に非現実的な生活感とセットデザインが十分に未来的な画面を構成しているのが上手い。
まったりした展開を画面持ちさせる意図か、なんとなくまったり見ていたい気分にさせられる心地良さがある。

やがて多くを学び成長した人工知能との間にズレが生じて来てしまうのですが、そもそもOSだった事を思い出すと、勝手に別のことしたり、言うとおりに動かなかったり、強引な提案や説教してきたりするのって道具としては失敗だよな、とまたトラウマうずいてズキズキやらしみじみやら。

最近は中国資本が入りまくった結果、SF映画というと中国市場向けのド派手なアトラクション映画ばかりになりがちな昨今、こういう作品が出てきた事自体がかなり驚きかもしれません。
まあそこまでの予算はいらなかったのかも知れませんが。

このOSの声を吹き替えてたのが林原めぐみで、最初は機械らしく非常に落ち着いたトーンだったので気付かないくらいだったんですが、テンション高めになると途端に右斜40度の角度で顔を出してきてちょっと現実に引き戻されてしまうのが残念。
宮﨑駿じゃないけれど、色が付きすぎた声優さんはどうも雑味が出ますね。

これはヨハンソンの声でもう一度見直すべきでしょう。

5段階で5。  

Posted by チェリー2000 at 23:26Comments(0)映画

2015年02月18日

おもしろき こともなき世を おもしろく

ちょっと間が空きましたが、例によっていまさら映画鑑賞記の続きでお茶を濁します。



今回は「地獄でなぜ悪い」

勘違い映画青年たちと、娘を主演女優にしたいヤクザの思惑が、組の抗争に絡んで珍妙な血まみれ大撮影会に発展していくという園子温監督のコメディです。

園子温の例の悪ノリ作品といえばそれまでですが、このお話にはモデルになる実話が存在すると聞いたことがあるので、単に荒唐無稽と切り捨てられないかもしれません。
まあ「愛のむきだし」と同じく、あくまで着想のキッカケ程度だと思いますが。

タイトル言うところの“地獄”とは、撮らない映画青年・平田が唯一無二の一本を撮るためならば倫理も危険も度外視して突入していく“映画 地獄変”とでもいうべき作家の業の深さと、小さく収まるくらいなら後先考えずハチャメチャな方が楽しいじゃんという快楽主義的な意味合いを表したものと思われます。

まさしく作中の登場人物はことごとく社会生活不適合ダメ人間ばかりで、もうそもそもに地獄に行くしか無い亡者どもをしかし、むしろ活き活きと描き切ることで“なぜ悪い”と、うそぶいて見せたわけなんでしょう。

確かに平田青年はとにかくハイテンションで、目の前の現実から目をそらしまくって今を謳歌し続ける姿はムカつく反面、爽快でもあり応援したい気持ちにもなってくる良いキャラに描けてて、突然降って湧いた映画製作話に対し「俺は一本も撮ったことのない青二才だぞ!」と言い切るところなんか“ソコはわかってんのかよ!”とツッコミつつ共感してしまいます。


他のキャストもなかなか素材の良さを活かしていて、國村隼はいつもの國村隼だし、堤真一も、星野源も坂口拓も、ちょい役の板尾創路、諏訪太郎までもが、みんないつもの感じで“根っからこういう人なんじゃないか?”と思わせる画面との親和性の高さがいい感じです。

ただ、友近のいつでも悪ふざけ芝居があんまり好きじゃないので、そこは減点。


総じて面白く観れましたが、“本物の出入りを映画として撮影する”という、すっ飛んだアイデアを十分に処理できていたか、あと何で血飛沫にCG使ったのかについてはちょっと疑問ではあります。

5段階で3。  

Posted by チェリー2000 at 01:36Comments(0)映画

2015年02月04日

日本よ、これが救出だ

僕が以前働いていたゲーセンは複合型施設で、新三国アルゴという箱の中にボーリングとかパチスロとかレストランとかが入っていましたが、老朽化を理由に解体して今はスパ銭とかも入ったアルゴ7として復活しています。

そんな個人的に馴染み深い名前がタイトルになっている「アルゴ」を観ました。
もちろん何の関係もありません。

実際にあったイランでのアメリカ大使館人質事件を描いたサスペンス映画です。

前述の事件で大使館から出て、知り合いのカナダ大使館に逃げ込んだアメリカ人職員を国外まで脱出させるために立案されたのが、SF映画「アルゴ」のロケハンメンバーに偽装して、民間航空で堂々と連れ出す奇策だったというお話。

フィクションだとコメディ紙一重な話ですが、事実なんだから志の輔がなんと言おうとガッテンせざるを得ない。

たまたまこの時期で、あのミミズの這ったような字が出るだけでちょっと怖くなるくらいだから臨場感は増しますし、僕はこの事件の結末を知らなかったので、最後までサスペンスフルに観れました。

まあとはいえ全くのノンフィクションって訳でも無くて、あきらかにこのタイミングでこの事態になってたかなんて誰も知るわけ無いじゃん的な危機一髪描写が沢山あるので、あくまで事実に基づいたエンターテイメント作品というところでしょう。

これは映画として正しい選択だと思います。
そんなナイスチョイスを決めた監督は主演でもあるベン・アフレック。

そしてこの映画のとにかく素晴らしいのはベン・アフレックの見事な演出手腕。
なかでも白眉は、本人がびっしり顔半分を埋め尽くすほどにヒゲを生やしており、これによりあのケツアゴの隠蔽に成功している点です。

あのケツアゴが画面にあっては、笑うか、人によっては少しセクシーな気分になるかして、どんなシリアスな場面も台無しになってしまう。
それをヒゲで巧みに偽装し、往年の草刈正雄みたいな風貌になることで見事サスペンスとして最後まで欺ききった。これはスゴイ!

“プロフェッショナル”
そんな言葉が脳裏に浮かぶ映画でした。

DVDにはご本人さん達が登場して当時を振り返る特典映像も入ってて、その話から映画とのズレを読み取れてちょっと面白いのですが、個人的にはプレス発表されていた雑誌なんかが残ってるはずなんでその資料を収録して欲しかった。

劇中ではあからさまな「スターウォーズ」と「フラッシュゴードン」のパクリだったのですが、実際はどうだったのか、当時の下馬評はどうだったのか、その周辺事情も気になります。


5段階で4  

Posted by チェリー2000 at 19:41Comments(0)映画

2015年01月30日

のろいの館

年始になると幽霊会員であるオンライン・レンタルビデオから無料チケットが付与されます。

これによって三枚までロハで借りれるので、お高い新作を三枚入れて送料の限界まで旧作をブッ込んでオーダー。
主に気になってた去年の話題作を中心に、その時々にリストに加えておいたタイトルを消化していく、年に一度の映画祭りシーズンに突入。

そんな中から「エスター」を観ました。
、孤児院から引き取られた9歳の少女、エスターが引き起こすサイコサスペンスです。

この作品、以前たまたまアマゾンのDVDをリンク踏みながら物色してたら目に入ったのがキッカケで知りました。
たぶんだいぶ古い、何だったらビデオスルー作品じゃないのかなくらいに思ってたのですが、「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう」で紹介されたので、そこまでマイナーな作品でもないらしいこと、そしていざ観てみるといきなりiPhone出てきたので結構最近の作品だということに気付かされました。

しかし映画その物は典型的なショッカー演出を多用して意外に古臭く、二重に意表を突かれる。

ネタ自体、“無垢なイメージの裏をかいて残忍な本性を持つ小さなモンスターが日常に入り込んでくる”という、古くは「悪い種子」とか「オーメン」なんかと同様の、脂性の人が使ってるスマホのタッチパネルくらい手垢が付きまくったネタなので、良くも悪くも無難に進んでいきます。

主人公のお母ちゃんがエスターの正体に気づき始めながら、まわりに理解されず孤立していく定番の展開に、実の子供達が本性を知りながらも完全に制圧されてしまい、かといって子供故に逃げも対抗もままならない危うさがプラスされていて、それだけバリエーションを持たせられるので飽きずに観れるんですが、手を広げてるだけに

“いくら天才サイコ・キッズでも、ちょっと手際が良すぎないか”

と、ご都合主義スメルにトーンダウンし始めるころ、反則気味のネタばらしで“ああ、そっちね”と、いちおう納得で持ち直す。
そのまま典型的なショッカー映画展開で無難に終了。


ある意味、セオリーを手堅く踏襲しながら本作らしさのスパイスを効かせた、万人向けの佳作として仕上がっていました。

この手の裏表ある子ども役は大抵ルックスがかなり良いキャスティングになりがちですが、このエスターは可愛いっちゃ可愛いけど癖のある顔つきで、演技も良くなかなか存在感ありました。


5段階で3・5。  

Posted by チェリー2000 at 21:04Comments(0)映画

2014年09月02日

劇場に行こう!

貧乏こじらせてすっかり映画館から足が遠のいている僕ですが、珍しく立て続けに二回も劇場に足を運びました。

珍しい新作映画の話なので、批評なんてほどのものではありませんが、ブログのネタも困窮しているところなのでちょっと感想だけ書き記しておきます。

一本目は「ルパン三世」
梅田で試写を見れるという、お手軽&パーフェクトにロハという好条件につられて観に行きました。
得てして漫画・アニメの実写化というのは困難であることが多いもので、アメコミみたいに元が写実的なものならともかく、デフォルメされた絵柄にあわせたデザインを現実の人間に落とし込めば、どうしたってコスプレにしか見えないというハンデキャップを背負っているワケです。

ましてや二十年も三十年も昔のアニメですから、見た目に限らず今となってはそのままやるのはチトまずい要素だらけなんだけど、そこを変にいじるとと旧来のファンから必ずブーイングが飛んでくるんだから、本音で言えばこんな作品の製作者、特に監督という矢面に立つ役職は避けたいに決まってる。
いったい誰がこんな貧乏くじ引かされたのかと思ったら北村龍平監督でした。
かつて「あずみ」「スカイハイ」と漫画原作作品でアレした詰め腹を「ゴジラ ファイナルウォーズ」で切らされたと思ったら、まだこんな状態なのか。
一応ハリウッド進出してるんじゃなかったのか?と首をひねるも、まあこんな仕事も必要なんでしょうね。

肝心の中身ですが、とても普通のアクション映画でした。
取り立てて可もなく不可もなく、です。

厳密に言えばそれなりに可も不可もあると思いますが、まあ誤差の範囲。
個人的に頭に残ったのは、アニメに寄せてきた浅野忠信の芝居の違和感と全編に渡り延々流れ続ける音楽くらい。
あんなにずっとBGMが流れる映画は「トランスフォーマー THE MOVE」以来じゃないでしょうか。

ある意味無難にこなしたと言えなくもない作品ですが、ことエンターテインメントの世界で無難ほどいただけない物もない事も確か。
与太話は良くも悪くも人の心を動かすサプライズが無いと。

ダイソーに置いてあるなら〝ザ・凡作〟のコーナーに並ぶに違いない本作、点数を付けるとすれば5点満点でちょっと甘めの2・5くらいでしょうか。



二本目は「ゴジラ」
一日の割引を利用して安めで観てきました。
僕は特撮ファンなので怪獣愛自体が強いタイプではないのですが、日本人で特撮好きなら怪獣は避けて通れない道なのでそれなりには観てきました。
なのでそんなに特別にゴジラが好きという訳ではありません。
初代は別格としても、いわゆる怪獣映画というジャンルが確立してからの作品に関しては「サンダ対ガイラ」とかのほうが好きです。

そんな僕でも否応なしに期待高まるのが今回のハリウッド版「ゴジラ」。
それというのも何故か世界に遅れて公開されたので、それ以前にだいぶ世界での好調の報せを聴いていた為。
なるべく事前情報を入れないようにして挑みました吹き替え3D版。

しかし期待が高すぎたか、蓋を開ければ〝あれ?こんなもん?〟って感じ。
もちろん映像のクオリティは非常に高く迫力十分だし、エメリッヒ版と違ってゴジラを神格化して表現しており、怪獣映画はある種の神話であることを押さえた演出は荘厳でさえありました。

でもなんかもの足りん。
個人的な好みの問題かもしれませんが、こういうデカイのが暴れる映画で兵隊を主役に活躍させるのはスケールの対比と目線上、デカイのが背景化してしまう気がするのであんまり好きじゃないんですね。
「トランスフォーマー」の時も同じようなことを感じたことを思い出しました。
反核テーマとは違う気がするし、もっと活躍すると思ってた芹沢博士も、あの芹沢博士とは無関係らしくあんまり話には絡まないし…演出がもったいぶってる割に脚本的な深みは正直あんまりでした。

「パシフィック・リム」は怪獣映画に徹してて違和感なかったんですけどね。

あと時期的に冒頭の原発のメルトダウンとか、中盤の津波シーンのほうが真に迫る緊迫感があったので、後半見せ場の怪獣バトルがむしろ安心感で観れてしまった為、結果的に尻すぼみに感じてしまったというのもあったように思います。

映画って出会うタイミングも重要ですからね。

点数を付けるとしたら5点満点で3・5くらいでしょうか。


最後に戦利品として「ルパン三世」からフィアット主催の試写会だったのでお土産にもらったトミカ。

「ゴジラ」からはこれさえあれば100円引きの買取3Dメガネ。  

Posted by チェリー2000 at 21:34Comments(4)映画

2014年02月26日

ラスト・ウインター

2月も終わりに近づいたから、という訳でもないでしょうが今日はやけに暖かい。
いよいよ冬も終わりを告げようとしているのかと思うと少し鬱であります。

先頃、劇場版でラストを迎えた「トリック」をネットでだらだら見ています。
たぶん一度は全部見てると思うんですが、けっこう忘れてるので懐かしさと共にあらためて楽しんでいるのですが、なにしろ14年間に渡って続いている作品ということで、最初のころの演者がみな若くて驚きます。

主演の仲間由紀恵は池上遼一が描いた絵のような美形ですが、 この間の「トリック祭り」で見た新作スペシャルではさすがに経年を感じさせるものがありました。
そりゃあ最盛期の20代前半から曲がり角の30代中盤を比べて、変化が無ければむしろアレというもので、ましてやこの間に地デジ化によるHD画質で誤魔化しもききにくい訳ですから、この程度の変化は人としてむしろ好ましいもの、MJ言うところの〝成長〟ってヤツでは無いでしょうか。

僕は仲間由紀恵に特別興味がある訳ではありませんが、仲間由紀恵以外の山田奈緒子もありえないので、この辺で締めとくのが丁度良い落としどころでしょう。
とはいえ以降の代表作に恵まれていないようで、落ち目と言われるのもちょっと切ないから頑張っていただきたい。

しかしこうして考えれば、「ケイゾク」と言い「トリック」と言い堤幸彦は、ともすれば冷たい印象になりがちな「絵に描いたような美形」女優を、ちょっと冴えないキャラクターとして非常に上手く演出していると感心させられます。


「絵に描いたような美形」というのはその類稀なタレント性にもかかわらず、どうもイメージが固まりすぎるて使い辛くなるのか、意外とパッとしないでフェイドアウトしてしまう人がいる気がします。
特にハリウッド映画なんかだと、ちょっと個性的な顔立ちの人のほうがいつの間にかヒロインやってたりして、それじゃカワイコちゃん女優で一瞬注目されたジェニファー・ラブ・ヒューイットちゃんやサラ・ミシェルゲラーちゃんはどうなったのか、ちょっと調べたらやっぱりあんまりその後のキャリアはパッとしてないみたいです。

ここはひとつ彼女たちも堤幸彦の演出を受けてニューヨークを舞台に寿司バトルする映画なんかで出直してみるのはどうでしょうか。  

Posted by チェリー2000 at 17:46Comments(0)映画

2013年10月25日

読んでから見るか 見てから読むか

ディズニーが著作権無法地帯コミックマーケットに企業ブースで参入するそうで、羊の群れに狼を放り込む光景が想像されます。

コミケとか2ちゃんとか今や日本のサブカル総本山みたいな存在ですが、じつは個人的にまったく興味なくて、正義の名の下に粛清されて消えてくれてもぜんぜん問題ないので、僕的に注目したいのはここに映画「エンダーのゲーム」が持ち込まれたという事のみです。

最近はこの辺の何十年も前のSFが映画化される動きがちらほら見えて、つい期待してしまうところなんですが、「エンダーのゲーム」はちゃんと製作されたということで、後はあの分厚い原作をどう映画化しているかが気になるところ。

もうあまり内容なんか憶えてませんけど、選ばれし少年が過酷な運命やイジメに見舞われながら人類存亡をかけた戦いに赴く、今で言うセカイ系の先駆けともいえるこの作品の知名度がもっとあれば「エヴァンゲリオン」はあそこまでヒットしてなかったかも知れません。

逆に言えば、いま「エンダーのゲーム」が劇場でかかったとて、古いマニア以外に評価する機会は持たれないんじゃないかという気がします。

作品の評価というのは、出来そのものより運に左右される事のほうが大きい感がありますが、なんとか上手いこと「エンダーのゲーム」がヒットしてくれれば、続編として長大なエンダー・シリーズも映画化されるかもしれない。
すっかり本を読む時間も気力も減ってしまって、Eテレの「100分で名著」を楽しみにしている僕としてはぜひ映像という形で代弁して頂きたかったりするのでした。
とりあえず僕は映画で再読から始めようと思います。

ちなみに〝スプロール三部作〟はちゃんと読みましたが「ニューロマンサー」も完成させて欲しいものです。  

Posted by チェリー2000 at 19:45Comments(0)映画

2013年10月01日

納涼ホラー大会「光る眼」

昨日、実家を訪ねてお母ちゃんが見ていた「ちちんぷいぷい」なんかボケーと流していると、天気予報で今出さんが〝まだまだ夏〟と言ってるじゃないですか。

そうか、最近朝晩の肌寒さにうっかり騙されてしまいましたが、日中は30度前後になっててじゅうぶん夏日なんですね。
このところ関東方面の放送ばかり聞いていたから、20度台前半くらいが続いてるものと思い込んでいました。

いやー騙されたわー。
すっかり騙されてたわー。

というのとはあまり関係なく観てしまった「光る眼」。
せっかくなので騙されついでに納涼ホラー大会の続きをやってしまう事にします。
監督はジョン・カーペンター。

主演にミスター・スーパーマンことクリストファ・リーブ。
神父役にSWのルーク役だけで著名なマーク・ハミルが出てるのも印象的。
あとマイケル・パレも出てたみたいですが全然気付きませんでした。

平凡な村で突如起こる集団失神事件。
その後、集団妊娠が起こり、啓示のような不思議な夢を見て全員が出産を決めます。
一人を除いて無事に出産。
生まれてきた子供は全員真っ白な髪で、高い知能を持ちしかも猫目小僧のように目がキラリと光ると人を思うままに操る超能力を持っているときました。
感情を持たず、気に入らないヤツはじゃんじゃん始末していく横暴に村人もだんだん異変に気付き、村はパニックに陥っていく…。


僕は勝手に宇宙人の新手の侵略だと記憶していたのですが、作品を見る限りこの子供たちがどこから来た何者で、何が目的なのかが全くわからない。
が、改めてみると突然の見に覚えのない妊娠、啓示を受け出産、生まれた子供は妙に頭がよくて、あげく人を操り争いを呼ぶという点で「ロボコップ」同様にキリストのイメージが重なります。
たぶんカーペンターは宗教に懐疑的なんじゃないかと思わせます。

もうひとつ、これは単に子供というもの自体が大人にとって侵略者だ、という面もあります。
不気味な化け物だと感じながらも、やはり我が子となると情が移ってしまい苦悩するのです。
「感情でがんじがらめの癖に、私たちを見捨てられる訳がないわ。ね、お・と・う・さ・ん。」なんて明け透けな物言いをされても、結局その通りだと降参するリーブの姿にも明らかです。
たぶんカーペンターは子供が嫌いか、あるいは「イレイザーヘッド」を撮った時のデヴィッド・リンチのように子供が出来る事に対して恐怖を感じてたんじゃないでしょうか。

子供たちは頭は良いけれど情緒面でまだ稚拙な点があるようで、邪魔な相手をストレートに攻撃するため敵視され始めるのに、敵視されるから戦うのだ、と主張する筋の通らなさ加減はしょせん子供ってことでしょうか。

が、しかし最終的に感情に目覚めた一人が、お母ちゃんによって助けられ何処へか走り去って行くラストには、あるいは人の感情を理解する事でさらにうまく生き延び人間を支配する方法を身に付けた個体が残されたという事では…という余韻を残します。

個人的に市井の民がやるべき事を知ったときに命を懸けることに躊躇しない、この覚悟のスピード感がカーペンター的男気を感じてしまうので割りと好きな一本でした。  

Posted by チェリー2000 at 22:20Comments(4)映画

2013年08月11日

ロボットだから! マシンだから!

生きている不思議

死んでゆく不思議

〝えーちゃん〟というと矢沢永吉しか浮かばないのに、〝えーさん〟というと永 六輔しか浮かばない不思議。


昨日は花火大会から逃れ、臨時休業にして数年ぶりに映画を見に行ってきました。

僕を長いブランクから劇場に引き戻したのは昨日公開を迎えたギレルモ・デル・トロ監督「パシフィック・リム」(吹替え・3D)。
罪なヤツさ Ah PACIFIC!

初の大阪ステーションシネマで初の3Dと初物ネタづくし。
劇場はシネコンのせいか結構狭め、スクリーンも小さめ。
3D映画は赤青時代も含め初めて観ましたが、思ってる以上に飛び出してて感心しました。

内容に関しては映像が全ての映画だから、とにかく行って観ろとしか言えないので今回は「パシフィック・リム」公開記念として「ロボジョックス」でいきます。

ちなみに僕が持ってるのはVHSのみ。
DVDは廃盤で無駄にプレミアが付いてる為ちょっと買えません。

世界の主権を巡って、戦争したら大変だからロボット一騎打ちで決める事にした。
それだけの話。

監督はスチュアート・ゴードン。

お話は上記の通りなので、見所はモデルアニメによる巨大ロボ映像につきるのですが、これが「ガンヘッド」に落胆した当時のマニアには〝やっと来た!〟と、ひとしおに沁みる物があったわけです。
さらに個人的に実写巨大ロボを愛好する僕としては冷静に評価など不可能といえます。

そのため主役ロボ・マツモト14号の変形ギミックがあまりいかされず、敵ロボ・ボバレフスキーのほうが全然強くて防戦一方なうえ、ロケットで大気圏離脱レベルで飛んで逃げたけど撃墜、あげくロボを降りて鉄棒で殴りあうラストバトルは最早「ロボジョックス」としてどうなんだと。

スタミナ切れでグダグダになったところで〝やるじゃねえか!〟〝お前もな!〟ばりにガッチリ拳合わせて終わりってどうなんだと。

なにしろ実写巨大ロボというのは弾数が少なく、ヒーローのオマケで付いてくるのを除くと5つ挙げられる人がほとんど居ないレベル。
作品の出来以上に、巨大ロボット映画というニッチな市場ゆえに存在だけでスジ者たちの記憶に刻まれた典型的カルト映画です。

そんな「ロボジョックス」ですが、モデルアニメに予算が破綻したか製作中にエンパイア・ピクチャーズが倒産。
その後に出てくるはずだった「デキャピトロン」をポシャらせてしまった戦犯でもあります。
それにしてもエンパイアはB級好きの琴線を掻き鳴らす作品を作ってましたね。

とはいえ、これ以降に作られた同系統の作品があまり口端にのぼらないことを鑑みると、「ロボジョックス」はヴェルタースオリジナルが貰えるくらい特別な存在なのかもしれません。



「パシフィック・リム」は本国ではイマイチながら中国では大ヒットらしく、日本の評価が待たれますが、初日の入りからしてあまり期待できないかもしれません。
まあでも町山智浩によると、いまやハリウッドの大作は大抵チャイナマネーが入ってるそうなので、続編の可能性は高そうですが。

個人的な興味は、果たして思い出補正を乗り越え、特撮巨大ロボット映画のイコンを塗り替える事が出来るでしょうか。
  

Posted by チェリー2000 at 21:29Comments(0)映画

2013年07月17日

納涼ホラー大会「ブレイン・デッド」

夏に抵抗しようと暇も無いのにホラー映画を観て、余計にしんどい思いをする事でおなじみの納涼ホラー大会。
今回は「ブレイン・デッド」。
正確には米国公開版の「デッド・アライブ」との事ですが「ブレイン・デッド」でいきます。

監督は前回の「バッド・テイスト」に続きニュージーランドの妖怪、ピーター・ジャクソン。

マザコン気味の男が、雑貨屋の娘に割りと適当な理由で言い寄られて動物園にデートへ行く事に。
その後をつけてきた男の母親が未開の島から連れてきた珍しい猿に噛まれたことで奇病に感染、ゾンビへと変貌してしまう。
ゾンビ化したしたことを隠してなんとか葬式もあげるが、看護士、町のチンピラ、神父と次々に襲われ感染拡大、ゾンビの存在を隠しながら地下室にかくまい続けるなか、遺産を狙った叔父に屋敷を強請り取られ勝手にパーティーを始められると、途端にゾンビに襲われ次々にゾンビ化。
心配して訪ねてきた雑貨屋の娘ともども大騒動に巻き込まれる中、男は自分を支配してきた母親の知られざる姿を知る事に…。


「バッド・テイスト」同様これもホラー・コメディで、人体破損を玩具にしているブラック・ユーモア感覚も完全継承。
ゴア描写および流血量は大幅増量、さらにホラーに付き物の若い女という要素も加わってますが、リアルな野暮ったい田舎女なのであまり期待を煽るようなものではありません。

基本的には典型的な隠し事ドタバタ劇ですが、ゾンビ以上に生きてる人間がでたらめで、コイツらだったら隠さなくても大丈夫なんじゃないかと思わなくも無い。
中盤、看護士ゾンビと神父ゾンビの間にゾンベイビーが誕生するトンでも展開がありますが、それ以上にその赤ん坊を連れて公園デビューする男が理解不能。
当然ここでも隠し事ドタバタ劇がおこり、それを納めるために赤ん坊を袋に詰め込んでボコボコにしばきまくる。

この映画はそういう不謹慎ギャグをジャクソンがやりたかっただけだと思われます。

そして大量に湧いたゾンビ軍団を芝刈り機で一網打尽にするあたりからのクライマックス展開は、もはや痛くもグロでもない清々しさ。
この突き抜けが評価され後の「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の名声へと続く事を思えば、やっぱり何事も全力でやりきる事が大事なんだと妙な感動と教訓さえ与えてくれます。

そんな一見の価値あるピーター・ジャクソンのフルスイング、長らく廃盤だったのが先の「バッド・テイスト」と共に再販されました。
正直ブート品じゃないかと思うくらい雑なソフト化ですが、これまでプレミア化して諭吉さんが出動せねばならなかった事を思えば、このカルト作品を1500円の良心価格で買える機会を与えてくれたのは僥倖と言えるでしょう。

いよいよ夏本番。
チビッコが無計画に捕まえたセミを持ってきて〝カゴを出せ!カゴを!〟と理不尽な要求を突きつけてくる理不尽な季節を今しばらく耐え忍んで参りましょう。  

Posted by チェリー2000 at 23:41Comments(2)映画

2013年07月12日

納涼ホラー大会「バッド・テイスト」

殺人的な暑さはとどまるところを知りません。
処分するべき物も処分できず、なかなかスッキリしない状況がなかなか解消できませんが、無理のせずダラダラやります。

納涼ホラー大会、今回は久しぶりに初見の作品「バッド・テイスト」

監督はニュージーランドの妖怪、ピーター・ジャクソン。
画面にも出突っ張りです。

異変の起こった田舎町を調査に来たら、地球人を家畜化してファーストフードチェーンの新商品にしようとした宇宙人に全員ミンチにされた後だった。
そうはさせるかと、捕まって晩飯用にソース漬けにされてる集金人の救出を兼ねてアジトに突入して大バトル勃発。

ホラーというよりコメディタッチの「ギニーピック」系グロ映画です。
ひたすらにゴア描写で遊ぶのが目的で作ってる印象。
自主制作という点でも同系統の作品と思われる「鬼畜大宴会」が、学生運動の内ゲバを題材として鬱鬱としてしまう生真面目さを払拭しきれないのに対して、パーティー感覚でミンチを増産していきます。

ツメが甘いところもあるものの、特殊メイクもさることながら、むしろ爆破が素人離れしたクオリティ。
まあ総じてそれなりのチャチさは否めませんが、予算・時代等を考慮すればなかなか大したものです。

監督本人がこぼれた脳ミソ詰めなおしたり、緑色のゲロを延々と吐いたり、最後はチェーンソウで血まみれ大暴れの挙句宇宙に飛んでく汚れ役をノリノリでやってる姿がとても楽しげで、ある意味ほのぼのしてきます。

いきおい見る目も温かいものになってしまい、それはそれでいい感じなんですが、残念ながら今回の趣旨である納涼向けでないハートウォーミングな癒し系グロ映画「バッド・テイスト」でした。

脳梁吹き飛ぶ映画の如く、納涼の思いも空しく吹き飛ぶ日々になす術もない僕です。  

Posted by チェリー2000 at 22:19Comments(0)映画

2013年07月05日

納涼ホラー大会「地獄」

いきなり暑くなりました。
もう夜でもそこそこ涼しいなんて言える状況ではないようで、これからしばらくは過酷な焦熱地獄を耐える日々になりそうです。
本来ならとっくに店頭改装とバックヤードの整理を済ませて、夏篭り用の在庫をジョン・デンバーよろしく備蓄してゆるゆる過ごすはずだったのに、けっきょくここに来てまだ整理が済んでない状態なので、ある程度コツコツ仕入れをせねばならない羽目になりました。

予定していた形に時間を作れなかった事が悔やまれます。

さて、そんな暑さをさっさと送りたい思いではじめた納涼ホラー大会。
今回は「地獄」です。

監督は大蔵怪談映画の名手、中川信夫。

主人公は優等生の大学生で教授の憶えもめでたく、その一人娘と婚約して将来も順風満帆と思われていたが、同乗した不気味な同級生の運転する車がヤクザを轢き殺してしまった事から一変し、次から次に事態が悪化。
婚約者も事故で亡くし、母親の病状が思わしく無いため実家の養老院へ帰ると、父親は入所している年寄りをぞんざいに扱い経費を浮かせながら、堂々と妾を囲う暮らしをしている。
そこにヤクザの家族が復讐に現れ、とばっちりもあり何だかんだで登場人物全員死亡。

賽の河原で死んだ婚約者と再会し、実は妊娠していた事を知った主人公は三途の川を流れていった我が子を地獄から救い出すために地獄名所を奔走するはめに。


作品自体が相当古いため、後半の地獄に落ちてからは学芸会チックな、ちょっと失笑ものの映像もあったりするのですが、反面、現世の生臭さが際立って怖ろしげに感じて〝この世こそ地獄〟といった趣も無きにしもあらず。
特に沼田曜一演じる同級生・田村が不気味で、天地茂演じる主人公・四郎を地獄へいざなうメフィスト・フェレスの如く、神出鬼没につきまとうところは見てるこっちが「もう!お前来んな!」と思うくらいの名怪演です。

ちなみにラストは赤ん坊を追っかけるという名目の下に、ひたすら地獄ガイドをするだけの後半を経た後、なんかようわからん輪ッかの上で回ってる赤ん坊を見つけるのですが、回ってくるまで待てばいいのに輪ッかの反対側にしがみついたばかりに、振り回されてまんじりとも出来ず往生したまま画面ストップ。

その後、スパッと画面変わって三ツ矢歌子のスマイルでブン投げて終わります。

昔のジャンル映画には時々こういう〝やりたい事はやり切った、さあ帰った帰った!〟といった感じの終わり方をする作品が散見されますが、これもそういう類でした。


今そこにある地獄、〝夏〟もスパッとブン投げて終わってもらいたいものです。  

Posted by チェリー2000 at 23:05Comments(2)映画

2013年07月04日

納涼ホラー大会「バタリアン」

まだ夜涼しいな、なんて思って珍しく窓を開けて寝たりしたら途端にあちこち蚊に食われてしまいました。
蚊の痒い毒によるアレルギー反応はせいぜい20~30分くらいで収まるので、掻かずに我慢。


さて今回の納涼ホラー大会は、コイツに食われたら痒いどころじゃ済まないニューウェイブゾンビ映画「バタリアン」。

監督、脚本はダン・オバノン。

医学用品販売会社で新入社員にベテランのおっさんが一発カマしたろうと〝映画になったゾンビの話は実話で、その時のゾンビがウチに保管してある〟という秘密を漏らすが、ちょい悪アホ系の新入社員は半信半疑でいまいちリアクションが薄いので百聞は一見にしかずとブツを見せてやる事に。
実際のブツを見て漏れ出さないかとビビる新入社員に調子に乗ったおっさんがタンクを叩いた拍子にガス大噴射。
そのガスの影響で標本が蘇りだしててんやわんやというコント展開。

その後いくらダメージを与えても動く事をやめないゾンビを焼却処分するも、その煙が雨にまじっておりしも新入社員のちょい悪アホ友達が遊びに来た近くの墓場に降り注ぎ、大量の死体が蘇り騒ぎは拡大していく様をわりと間抜けな演出で見せていきますが、筋そのものは救いがありません。

ゾンビ映画で注目ポイントの定番はゾンビの設定で、作品によってゾンビの能力に差があり、走るゾンビ、道具を使うゾンビ、知性を残したゾンビなど、正統ジョージ・A・ロメロのゾンビシリーズ以降、多くのゾンビが設定されてきました。
「バタリアン」は原題「The Return of the Living Dead」でロメロの「Night of the Living Dead」の非公式な続編の体裁を取ったパロディですが、この作品のゾンビはそれらを既にだいたい網羅しており、さらに独特の設定が盛り込まれている点でかなりユニークかつ先駆的といえます。

特撮は特殊メイクや差し替えパーツ、アニマトロニクスを駆使してますが今の目で見るとかなりショボイ。
映像の雰囲気や音楽も安っぽさ満点で、これはテレフィーチャーだったんじゃないかと疑ってしまうレベルで、立て篭もり心理劇としても目立ったところは無いんですが、キャラクターで押し切られてノリで見終わったら意外とひでぇ話だったなと嫌な気分になる点では上手くしてやられた感じです。

この映画ではゾンビにやられてもゾンビになる訳でなく、薬品さえ浴びなければやすらかに眠りにつけますが、蚊に食われたときの対処は保冷材で冷やして感覚を麻痺させながらやるとわりと楽にしのげて、腫れの引きも早いように思います。
この時は寝てる時だったので無意識に掻いてしまっていましたが、気付いてからでもぜんぜんマシなのでオススメですよ。  

Posted by チェリー2000 at 21:22Comments(0)映画

2013年06月30日

納涼ホラー大会「クリスティーン」

徳永英明の代表曲「壊れかけのRadio」によると、〝何も聞こえない、何も聞かせてくれない〟ラジオは僕的には完全に壊れたラジオなんですが、レイディオ的にはまだ持ちこたえていると解釈するようでモヤモヤします。

さて、納涼ホラー大会第二回は壊れても壊れても蘇るゾンビのような車、しかも女、しかも殺人鬼という意外性のデパート映画「クリスティーン」です。

監督は好きになって追いかけても捕まらない方のJCことジョン・カーペンター。

機械好き・車好きの気弱ないじめられっ子が、たまたま見かけたボロ車に惚れ込んで周囲の反対を押し切って入手。
丹念な改修によりもとの輝きを取り戻した愛車にぞっこん、そのうえ自分にまで自信を持つようになりハッキリ物を言えるようになったり、彼女が出来たりとブルーワーカーの広告みたいなサクセスぶり。
しかし実はいじめられっ子の変化は魔性の車〝クリスティーン〟に取り憑かれたせいだった…というのが導入。

この映画の主人公はクリスティーンに魅入られたオタク少年なんですが、物語を進行させるもうひとりの主人公にオタク少年の親友であるアメフト選手がいて、取り憑かれた友達を引き戻そうと奔走します。

だいたい映画監督なんかになるような奴はオタクで、かつて学園ヒエラルキーの底辺をさまよってきたが故に、その恨みを晴らさんと映画の中では低脳で下衆な人間として描かれ、引き立て役として犬死させられがちなのがアメフト選手なんですが、この「クリスティーン」では〝正しいジョックス〟という〝きれいなジャイアン〟みたいなのが設定されている点がちょっと珍しい。

他に主人公の両親、イジメ現場に乗り込んだ教師、クリスティーンの売主、工場のオーナーなど、大人が堂々としていて強いのも最近では見られないもので、こういう点もいかにも男気監督カーペンターらしい。
〝子供は子供、半人前に遠慮する必要はねえよ〟という(妄想の)声が聞こえてくるようです。

原作はお馴染みスティーブン・キング御大。
大筋はウブなボウヤをたぶらかした性悪女が、邪魔な周りの人間に危害を加えて回る話なので、御大も似たような経験があったのかもしれませんね。

基本的にはいじめっ子に対する報復がメインになっているため、ハラハラとか恐怖感を煽るよりも〝がんばれ!クリスティーン〟となってしまい、このへんは同じくキング原作「キャリー」とも通じるところですが、「キャリー」はイジメと母親とシシー・スペイセクの顔が怖いのでホラーとして成立してましたが、「クリスティーン」はそういう病的な要素が無く、わりとカラっとしてるのでホラーとしてではなくカーペンター映画としてみるべきかもしれません。


ちなみに僕は今回見直すまでクリスティーンを間違ってオープンカーだと記憶していました。
こういう事はしばしばあり、〝思い出せそうで思い出せなくてやっと思い出せたけどちょっと違ってる〟というジャスト壊れかけのおっさんな感じでモヤモヤします。  

Posted by チェリー2000 at 16:50Comments(4)映画

2013年06月27日

納涼ホラー大会「ハウス」

この時期ラジオなんか聞いてますと、しばしば大黒摩季の「夏が来る」がかかったりしますが、歌詞は超シケた内容でタイトルから期待されるような盛り上げ感はまったくありません。
まあ、夏嫌いの僕としてはむしろエンジョイ夏で来られる方がウザイので、これくらいで勘弁してもらいたいところではありますが。

さて、夏なんか来る前にホラー映画でもみてさっさと送り出してしまえという事で、ひとりひっそり納涼ホラー大会を開催。

今回は先ごろ輸入で手に入れた大林宣彦監督作品「ハウス」。

女学生グループが夏休みの合宿にメンバーの祖母宅に行ったさきで、ひとり、またひとりと姿を消していく。
実はその家は先の戦で死んだ亡夫を待ち続けるため、未婚の女を食らって永遠の命を保つ祖母と一体化した〝人食い家〟だったのです!!!

あまりに単純なシナプスだったので感嘆符を三つ付けてみました。

加えてブルーバックを多用したチャチな合成、稚拙なまでにわかり易すぎるキャラクター付けなど、当時との時代差を鑑みても、というか当時の時点でもあまりにショッパイ要素がてんこ盛りながら、この映画は僕的に忘れがたいトラウマ作品なのです。
どれくらい忘れがたいかといえば、店の看板のロゴ意匠に織り込んでしまうくらいです。

30年前の少女漫画ノリのセリフ回しのリアリティの無さと、ホラーコメディという性格上からくるリアクションのリアリティの無さが夢遊感を醸し出し、そこはかとなく全員正気じゃない感じがして、感情移入の寄るべきところない不安感を掻き立てられながら、少女たちが前述の合成でオモチャのようにバラバラにされながら、どこか他人ごとのように食われていく映像はサイケでイカレてます。

女の子がたくさん出てくる映画ということで健康的なお色気が散りばめられていますが、個人的に最初の犠牲者が井戸に食われてスイカになって出てくるくだりで、洗い物をしているポンプの水が赤く濁ったのをコップに汲んで飲むシーンが印象に残っていて、大林監督の〝何も知らない無垢な少女に少女を食わせる〟というフェチズムを感じさせます。

さんざんシュールで狂った映像を見せつけられたあとのエンディングでは、主演の池上季実子のオフショットをたんまり見せ付けられるという大林汁あふれるカルト作品「ハウス」でございました。

ところでこちらはドイツ版のようなんですがタイトル表記の「HAUSU」は如何なものかと…。  

Posted by チェリー2000 at 21:40Comments(2)映画