2016年10月09日

ゴールデン・アームボンバー

radikoで以前からささやかれていた、過去の放送を一週間分遡って聴けるストリーミングサービスが始まります。

おおむね歓迎ムードの中、ときどき目についたのが“「raziko」に圧力をかけて潰した事を許さない”という怨嗟の声。

「raziko」とはradikoをハッキングして地域制限を越えて聴取できるアプリで、これに録音機能を有料でつけて商売していた完全真っ黒な代物なんですが、イリーガルだけに必要経費も各所への配慮も必要ないぶん、本家より高機能で低価格なため利用者も多かったようです。

長引く不況のせいで節約が美徳となるのは仕方ないことでしょうが、行き過ぎて「金払ったら負け」みたいな流言を本気にする人が出てくると、ちょっとシャレになりません。
他人のふんどしで相撲とるどころか、他人に相撲とらせて勝手に刷った格安チケット売りさばくなんてやらずぶったくりが通用すると思うほうが頭おかしい。

そんな頭おかしい人が頭おかしい事をやって、しかも本にまでしてしまったのが「西原理恵子の人生画力対決」。


有名漫画家を呼んで、人の漫画のキャラを描かせて、その出来てなさ加減を笑うという趣旨の企画物漫画です。
いかにも描けなさそうな人から、画力のしっかりした人まで参加しているのですが、その出来具合から感じ取れるのは“これは画力というより記憶力対決だ”ということ。

モチーフが明確に頭に浮かんでるものは、似てるかどうかは別としてその人なりに描けてるんですが、知らないものは似てる似てない以前に絵としてのレベルが途端に下がっています。もう線からダメになってる。

絵って完成イメージが立たないと全く描けないものなのだと納得させられました。

そしてこれ自体はライブイベントなので、下書きからしっかりやるタイプの人よりサクサク早描きするタイプの人のほうが断然有利っぽかった。

この企画、いっけん他人のふんどしで相撲とってるようですが、実際のところ本にする上で少ながらず表現はデフォルメしており、有名漫画家のイメージとの落差を口汚く罵ることで笑いを取り、そして同時にそれ以上に自分がヒドイ出来でちゃんと負ける自虐ネタで笑いを取るというヒール芸として成立しているところが、相撲というよりプロレス的です。

あちこちに角が立つ芸風という意味で、好角家ではあるかもしれませんが。


結論。
とはいえradikoプレミアムは確かにちょっと高いし、西原理恵子はちょっと頭おかしい。


珍しく本の紹介をしました。  

Posted by チェリー2000 at 19:18Comments(0)マンガ

2014年07月03日

カントクちゃん

「ぴたっと」のジングルを作ったお姉ちゃんがコンタロウの姪らしい。

コンタロウというと昔「1、2のアッホ」や「怪盗ルーズ・ルーズ」がウチにあって、「トイレット博士」とりいかずよし「マンダム親子」古谷三敏などと共に、僕の少年期を代表するギャグ漫画家として記憶に残る作家です。

中でもコンタロウのギャグは小学生にはわからない物が多かった記憶があり、再評価の機会を持ちたいと思ったりもするのですが、ちょっと良い値になっちゃってて気軽に手を出す気にはなれない。

市会で「漫画の束に混じってたりしないかな」と思ってみてましたが、ついぞ見かけることはありませんでしたし。
そうそう年初めに組合やめてるんですよね、僕。

以前、この辺の時代の漫画ばかりで即売会に参加したら面白いかなと思ったけど、まったく集まる訳が無かったんですね。
そんな本知らずだから組合もうまく使える訳がありませんわな。

意外なところで意外な名前を聞いて、なんか話が繋がった気がしたのでした。


まあしかし考えてみれば、あの当時のギャグ漫画って意味不明のフレーズギャグだったりが多いから今見てもわからなさそうですね。  

Posted by チェリー2000 at 00:02Comments(0)マンガ

2013年09月24日

報復のV

近頃は〝やられたらやり返せ!〟を聞くことが度々あり、なんで今さら長与千種なんだ?と思ったりはさすがにしませんが、そんなのが流行るくらい日頃みんなやられちゃってるんだろうなぁとシミジミする訳であります。

まあしかし短気は損気、エベレストでヤカンかけるような沸点の低さでキレてみても根本的解決にはなってなかったり、弱いもの同士がストレスを擦り合ってるだけでそもそもにやり返す相手が間違ってるってことだったりしがち。

戦うべきはその原因たる社会構造であり支配者階級なのだ、という事で怨恨を晴らしつつその裏で全体主義社会を破壊すべくクモの巣の如く術数を張り巡らした仮面のテロリスト〝V〟の暗躍と支配者のゲスさを描ききったイギリス産ポリティカル・スリラー・グラフィックノベル「V フォー・ヴェンデッタ」を読了。

映画のほうは以前にも紹介したのですが、今回は原作のほうです。
映画からはイマイチ差し迫った感じがしなかったので、わりとお礼参り感が強かったのですが、原作では非常に厳しい監視下で、貧しく、尊厳を保つ事が難しい極端な全体主義社会が描かれるので、なるほどテロルが必要なわけだと思えます。

映画も単品としては悪く無かったけど、改変した設定の数々は正直残念。
とはいえ、例によってアラン・ムーアの膨大な情報量を2時間程度の映画に落とし込むのはとても無理なので、妥当な落とし所だったと言えるかもしれません。

それにしても後半の展開は全く違っていて、復讐劇が本来のメッセージに切り替わるにはそこが重要なんですけどまあ映画的には画面的な盛り上がりが必要ですから。

優れた作品ですがいつものムーアらしく登場人物が多くて、それが最終的に集約されていくので情報を整理しながら読まないとイカンのですが、あちらのマンガは写実的な画風なのでパッと見、誰が誰か見分け難いのは無駄に読解の難易度を高めていて困りものです。
何人もおっさんが出て来るから、〝これ誰だっけ?〟の連続です。
もうちょっとわかりやすいアイコンを添付してくれないものでしょうか。

おなじく絵に関してですが、ヒロインのイヴィーに関しては圧倒的にナタリー・ポートマンのほうが美しく、これに関しては映画が完勝ですね。


何でわざわざ額にシワ描き込んでるんだろう。

このあと坊主にされるとおじいちゃんみたいになります。  

Posted by チェリー2000 at 23:43Comments(0)マンガ

2013年09月08日

わるいやつら

夜中にジムに向かう途中、職質を受ける。
豊崎のタコ公園で起こった通り魔殺人未遂事件の聞き込みで、近い時間帯に通りがかる人から情報を集めようという事でしょう。

あいにく何の情報もないんですが、あきらかに正気でない凶行だけに早い解決をお願いしたいので、なるべく協力的な姿勢ではいます。
しかしなんで住所・氏名・電話番号・生年月日までの超個人情報を聴取されるのかは疑問。


人間、理想は自らを律して秩序を成したい物ですが、現状「悪事は引き合わない」というのが秩序を守る上での大前提であると言わざるを得ません。
しかし本当にその大前提が守られているかどうか、認識されている以外の犯罪がどれだけあるかさえ定かでないし、ただでさえ検挙率は下がってると聞きます。
世の中便利になって、我々一人ひとりがある意味で超能力と呼べるほどのパフォーマンスを発揮するようになったので、捕まえるのも、発見されるのも、どんどん難しくなっているだろうことは想像に難くありません。


〝難しいどこじゃない、むしろとっくに世界は悪党に支配されてるよ!〟という絶望の世界を描いた作品、マーク・ミラー「WANTED」が入荷。
〝WANTED〟といってもアラブの大富豪とかニヒルな渡り鳥とは関係ない、いわゆるアメコミです。

アンジィで映画化もされてるんですが未見。内容もまったく知らない点では同じミラーの「KICK-ASS」以上に距離がある作品でしたが、こちらもいわゆる全身タイツもの。
ただしタイツヒーローはほぼ出ません。なぜならこの世界ではヒーローは悪人軍団との全面戦争に敗北し、人々の記憶からも消え去りマンガの中にその痕跡を残すのみとなってしまったから。

なのでお話は悪人軍団のハト派とタカ派の派閥抗争にカタギの世界からやって来た二代目が大奮闘する、といった展開になります。

「KICK-ASS」同様にバイオレントでノワールな作風は良識派の眉をひそめさせてやまないと思いますが、この辺はエンタテインメントとしてあくまでサービスだと思われます。
けっきょく普通の人は権力に隷属するしかないという皮肉をぶちまけつつ、転じてみればそんな世の中でそんなにあくせくしたって仕方ないぞと、それぞれの身の丈で生きたほうがいいぞ的な、老子にも通じるメッセージを見出せなくも無いが気のせいか。

作中では悪の秘密結社が世界を牛耳っているので何をやっても咎められないのですが、それでも警察がいて活動してるって事は、悪人が幅を利かせてるんじゃなくて、超人だから手が出せないと言ったほうが正確かもしれません。
そう考えると正義の超人が幅を利かせることもある意味では同様かもしれず、藤子・F・不二夫「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」は最終的に暴君でしたが、それ程でないにしてもモラル・ハラスメントに怯えることになりそうな気もします。

この作品、読者も巻き込んだメタフィクションの体裁を取っていますが、消えたヒーローがマンガの中だけで語られるのと同様にこの悪漢譚自体もマンガであることを考えると、我々の世界においてはどっちも存在しないと言う事になるのかも知れません。

他にも次元を股にかけてパラレルワールドを騒がせているみたいなんですが、ヒーローが牛耳ってる次元もあって、あまり表立って非道を行うとそのヒーロー軍団に目を付けられるんじゃないかと危惧してたりして、構造的にしっくりこない(しかも別にいらない)設定が盛り込まれてますが、細かい事はこのさい気にしない。

過激な描写と過激なメッセージ、でも陰湿さは無くむしろユーモアと爽快感さえ感じました。
映画のほうはだいぶ違うみたいですが、そのうち観てみようと思います。  

Posted by チェリー2000 at 21:22Comments(0)マンガ

2012年11月08日

蹴り上げろ!

大統領がオバマに決まったということで、町山智浩もアメリカルポライターとして忙しくて、映画の話が減ってそうです。

なんにしてもアメリカ様にはおこぼれを頂戴できるいい仕事を期待したい、というところで今日の僕の仕事は終了。
午前中の作業で今日ぶんの体力も使い切ったし、結果予算に到達したので終了。

しかし当然店は開けてますし、通常通りに日付変更線を超える頃に閉める予定です。
マニーが増える分には困らないのです。
減るって可能性もありますが。

それにしても10月から引き続き、売り上げが低迷しっぱなしです。
もともと低迷してるのが、更に低め安定してしまってます。
もう本当に、みんなポケットの中に250円しか持ってないんじゃないかと思うくらい渋い。

ディズニーがあちこち吸収してハリウッド乗っ取りみたいな事をやらかしてるのと比して、同じ地球で起こってる事が信じられなくなるほどに、本当にささやかな商いの成否に右往左往させられる荒海の木の葉船であります。
それぐらいメタな視点で見れば、街で評判の繁盛店あたりでもウチと大差ない気がしてくるから不思議ですが、もちろんそれは気のせいで、食えない店はやらないほうが賢いと痛感するばかりです。


まあなんの展望も無い愚痴を、場末のブログでこぼしててもらちがあきませんので、もうちょっとテコ入れ策を検討することにします。

そんなテコ入れとは直接関係ありませんが、ここしばらく今までネットで済ませてたような物を、なるべく店舗、なるべく近所で買うように心がけています。
風吹けば桶屋が儲かるというほど遠い話ではありませんが、近い範囲でお金を回すことを心がけることで、ちょっとは地域経済に勢いを取り戻していただきたいと願いを込めたお賽銭という訳です。

そんな訳で買いました「KICK-ASS」

アメコミは高いですが、市場の小ささ・翻訳費用・フルカラーといった条件を考えれば出してくれるだけでもありがたいと考えるべきでしょう。

〝おいおい、ただでさえ更新してない「ぷれこぐファイト」を差し置いてこっちで本の紹介かよ〟とツッコんだ奇特なぷれこぐ堂ファンの方も全次元に0・8人くらい居るかもしれませんが、ノンノンノン。
確かに店の棚に並ぶ可能性は否定しませんが、これはあくまで個人的に買ったものなのです。

実は映画の方は見てないのですが、評判が良いのでまず原点から押さえておこうという訳だったのですが、確かに面白かった。
最近割りとアメコミ見てたりするんですが、これはかなり日本漫画の影響が強く出ていて読みやすい。
アメコミは一ページあたりのセリフ量が多くて読み進めるのが遅くなり、ページをめくる疾走感が得難いため、漫画を読み慣れてる人にはちょっと敷居高いんですね。

内容はいわゆるヴィジランテ物で、ヒーローマニアが本当にご町内ヒーロー活動やったら大変な目にあう話。

面白いのは間違いないけど、漫画の影響が強いぶんこれくらいのクォリティなら日本の漫画でも出せるな、とも。
「ウォッチメン」とか「フロム・ヘル」に見たような、これは次元が違うなってほどのカルチャーショックは無かったです。

ちなみにこの本の帯推薦文を書いているのは町山智浩。
短いので全文を引用しておきましょう。

〝たしかにバイオレントだ。
血まみれ過ぎるかもしれない。
でもスーパーマンのような超能力もなく、
バットマンのような金持ちでもない男が、漫画じゃない現実でヒーローになるには、
誰よりも血を流すしかないんだ!〟


オバマが資本家どものケツを蹴り上げて溜め込んだ富を世にばら撒くには、昭和天皇崩御直前くらい輸血しまくって血を流しても足りないでしょうけどね。  

Posted by チェリー2000 at 23:33Comments(0)マンガ

2012年09月20日

センチメンタル・ジャーニー

最近買い取った本をくくって処分準備しつつ、休み休み読んだ聞き覚えのあるタイトルの漫画「軍鶏」。

結構前の作品だったと思いますが、まともに読むのは初めてで、読んでみたらこれが「裏・あしたのジョー」な事に気付く。
裏というか現代風に仕立て直したといったほうが適当かもしれません。

そこで以前、開業前に手伝っていた古本屋の常連客で、格闘漫画が好きなおっちゃんの事を思い出しました。
おっちゃんは「はじめの一歩」とか「高校鉄拳伝タフ」なんかを好んで読んでいたように記憶していますが、ネタが尽きてやむなく「あしたのジョー」を持って行き、その感想は〝久しぶりに読んだけど、大したことなかったわ〟でした。

リアルタイム世代では無いものの、「あしたのジョー」や「空手バカ一代」は不朽の名作だと思う僕ですが、さすがに技法などの点に関しては、古臭さを拭えないのも確かです。

より刺激的な表現を求めて、よりリアルに、より激しく、より極端にという昨今の傾向の中に「あしたのジョー」を溶かし込んだらこうなったんだな、という感じでした。


業界全体の画力の底上げに加え、テクノロジーの進歩による巧みなトレスや画像処理で、見ごたえのある絵に構図、研鑽を重ねて演出技法もキャラ立ても、もう確固たる法則が確立された感さえありますです。

技法が確立されて上手な漫画を描く人が増えた今では、もう発明は難しいのかもしれない。
あえてハズす事は出来るでしょうけど。


てな事に思いを馳せたところまで含めてそこそこ楽しめたけど、読み捨てがお似合いだぜってことで、折よくバイトの予定が無くなったし、見事に彼岸を境に気温が下がってくれたので、明日は不良在庫どもをドナドナってやろうと思います。

まあ疲れることに変わりないので、それなりに気の重い旅になるのですが。

「軍鶏」はとりあえず100均に。  

Posted by チェリー2000 at 18:02Comments(0)マンガ

2012年07月04日

闇深く響く地獄の足音

「フロム・ヘル」読了。
ついては店頭に出しました。

〝地獄からの使者〟といえば皆さん、東映版「スパイダーマン」を連想してしまうことと思いますが、この地獄よりの使者はかの有名な未解決事件、切り裂きジャックの名で知られる娼婦連続殺人犯であり、「フロム・ヘル(地獄より)」とは警察に届けられた多くの犯行声明の中の一つにある文句であります。

ジョニデ主演で映画化もされたこの作品、映画見てないからわかりませんが、とりあえず同じアラン・ムーア原作の「ウォッチメン」と違い、映画とはだいぶ違うモノになっているっぽいです。
アラン・ムーアはイギリスの人なので、ガイ・フォークスを題材にした「V・フォー・ヴェンデッタ」と同じく切り裂きジャックを題材にするのはそんなにかけ離れた話ではないのですが、それにしても何故いまさら切り裂きジャックかと思ってたら、ムーアもそう思ってたみたいで、当初は全然別の殺人事件をネタにするつもりだったみたいです。

たまたま折よく研究本がたくさん出たとかで、その中で感銘を受けたのか、資料を集め易いと思ったのか、手垢のついたネタである切り裂きジャックを選んだ、といった感じだったとか。

そんな適当にネタを選んでいいのかと思うところですが、その経緯をあとがきの解説で見てむしろ納得してしまうほどに、この話の主題は犯罪そのものの内容は関係ないといって差し支えない代物でした。

結構長いし、ネーム量も膨大だし、ペン画が馴染まないし、ムーアらしく複雑かつ綿密な構成で読み返し必須だしで、ある程度作品の意図を汲み取るには、それなりの覚悟が必要なところはありますが、チャレンジする価値はある一作です。

ちなみにこれを仕入れた段階で上下セットでしたが、下巻はシュリンクを切ってませんでした。
どうやら元の持ち主は上巻の途中でリタイアしたようです。

ハリウッド的進化を遂げた日本漫画を読み慣れた目には、いろんな点でハードルの高い作品ですが、最初のハードルである〝価格が高い〟を軽減した状態で手にできる良い機会ではないかと思ったり思わなかったり。  

Posted by チェリー2000 at 23:27Comments(0)マンガ

2011年08月18日

ウォッチし損ね

ヤフオクでせどりと証して「ウォッチメン」を買いました。
映画を見て興味をもったので読んで出ししようと目論んだのですが、アマゾンより安く上がると思ったら、なんと本一冊の送料が840円でビックリ。
ダンボールで数十冊でも千円程度だろうに、どういう計算でそうなってるのか知らないのですが、着払いだからボッタくられたって訳でもないし…単に安く上げる発送方法を知らなかっただけでしょうか?

うっかりこの辺を考えずに入札すると意外に高くついてしまうから、オークションは発送や入金の表記をしっかり確認して、コスト計算に気をつけないといけません。
トントン上等で買ったのですが、これでは赤字ですね。

まあ数百円でレンタルしたと思えば良いか。
数字には出ないけれど、棚の質が向上するという効果もありますしね。

アメコミはページあたりのネームが多いので、この厚さとなるとかなりのボリュームになるのでボチボチ読んでいくとします。  

Posted by チェリー2000 at 23:50Comments(0)マンガ

2011年07月23日

すこし ふじこ

最近買い取った藤子F不二雄の短編集。

僕はそんなに、この辺のレジェンド漫画家に思い入れが無いので、これまで読んでこなかったのですが、児童漫画で知られる藤子先生も短編ではブラックな作風を発揮していたことで有名なので、良い機会だから読んでみました。

短編SFにはありがちな価値観の逆転をあつかった〝視点を変えてみた〟系作品が多く、また思ったよりカニバリズムが沢山出てきました。

もちろんドラマとして進める以上、主人公は大変パニックに陥る訳なんで、食うものが食われる側になった時の心理を描く展開になるんですが、これはいかにも倫理派ベジタリアンが喜んで取り上げてそうだな、と思って〝藤子F 菜食主義〟でググったら、おおむね予想通りなのが出てきました。

僕が読んだ印象では、菜食主義を主張するような物とは感じなかったし、必ずしも肉食を倫理的に否定してるとも感じません。
どちらかと言うと、牛豚食うなら人が食われる事も本質的に矛盾が無いでしょ?っていう印象です。

まあ根本的に意思疎通が可能な知的生命を食用にする事に疑問を持たない、という点に無理があるので、そこまで深く突っ込む所じゃないとは思いますが。

だいたいF先生といえば「ハムサラダくん」のハムの方ですから。
肉食批判的立場から描いてると考えるのは、やや苦しいのではないでしょうか。
ちなみにA先生は偏食系菜食主義らしいです。

むしろカニバルねたを肯定的とも見れる視点から描き重ねているF先生に、別の意味の不気味さを感じましたとさ。  

Posted by チェリー2000 at 20:17Comments(0)マンガ

2011年07月06日

作家としては長命かも

和田慎二が亡くなったそうです。

皆さん「シンジ」と言えばLDゲーム「ドラゴンズレア」のボスドラゴンのシンジくらいしか思い出すことはないでしょうが、実は僕もです。

「スケバン刑事」で一世風靡した和田先生。
60そこそこでお亡くなりと、早いといえば早いけれど、それだけ濃く生きたということなんでしょう。
いわゆる太く長くというヤツですか。
確かに太めだったし。

そういえば「コブラ」が本格的に米映画になる動きがあるらしいですが、ブイチ先生も体調芳しくないという噂があるとか無いとか。

画像は訃報に嘆くどり蔵。

ではなく、顔をうずめて寝るどり。

羽虫が出てきてハイテンションが持続するため、寝ている時以外なかなかまともに写真が撮れません。  

Posted by チェリー2000 at 22:34Comments(0)マンガ

2011年03月28日

陽春のパッセージ

僕は以前からよく耳がおかしくなって、気圧変化で自分の声が頭の中で鳴ってるような感じになるのですが、実は痩せすぎ病「耳官開放症」だと「それゆけメッセンジャー」で知りました。

まあこの時期、花粉症に悩んでる人に比べればさほど不快とか、生活に困るとかってことはないのでマシなほうでしょう。

そう言いつつ、僕も花粉症が発症している疑惑があり、この時期、外に出てるとちょっと鼻っぽくなり、ちょっと目が痒い気がします。
気のせいかもしれないけど、アレルギーには反応が強い人もいれば弱い人もいるはずですし、いつ花粉症になるかに怯えているよりも、逆にいっそ発症しててこの程度だったとなったほうがありがたいのかも知れません。

これくらいのレベルなら花粉症なんて病気っぽい名前より、春風に花粉が運ばれる季節を愛でる意味で「風と木の詩」と呼びたいくらいです。

「風と木の詩」といえば竹宮恵子の少年愛マンガですが、同時期のもうひとりの大御所・萩尾望都「トーマの心臓」の文庫版が、たまたま以前仕入れた本口の中にあったので読んでみました。

とりあえず昔の作品なので、ページあたりの情報量が多く、文庫サイズで読むとさらに細かくなって結構しんどい。

作品評なんかはとうの昔に語りつくされてるから、あえて僕がいまさら何も言うことはないのですが、個人的に〝なるほどこういう感覚の切なさとかなんだな〟と理解はできたけれど、それで凄い心酔した、とまではならない。
どこか少年たちのナイーブさに対する受け取り方がドライになってしまう、自分の中に入ってくるのを遮る壁がある感じがしました。

そのへんがまあ、感性の違いなのかなと思ったりします。

それじゃあ男が書いた百合ものは男に受けて女受けはしないのだろうか。
この辺はサンプルが思いつかないから何ともいえません。

でも今や少年愛は、よりストレートな表現に走ってBLとして一大ジャンルを構築するに至ったし、女の恋愛にかける情熱はいかほどのものかと軽いめまいを覚えるほどに感じ入りました。


今日は市会に出で入札を済ましてからさっさと退散し、そのままジムへ行きました。
時間に余裕があったので30分ほど泳いでからジャグジーでのんびり浮かんで、その後シャワーを浴びて出た僕の背後を、妙に違和感のある人が通り過ぎて行きます。

ふと振り返ってみてみると、真珠色の刺繍がはいったピンクのTバックを履いた兄ちゃんが歩み去っていきました。

全体的には細マッチョ系で、鍛えてる感じの人であり、ナヨっとしてるってほどでもないし、工事が入ってるようなタイプでも無いもよう。
なんというか、そっち系の人ではあるんでしょうが、思いつくそっち系の名称のどれに当てはまるかというと、どれも夜の香りがしていま一つしっくり来ない。
何かもっと春っぽい、麗らかさと切なさと淫靡さが混然としたような…。

焦って開いた心の辞書から、1ページ目と言わずに範囲を広げた中から強いて選べと言うのならば「風と木のう  

Posted by チェリー2000 at 21:59Comments(0)マンガ

2011年03月09日

人を超え獣を超え

以前ダイソーで立ち読みして、完全版を読みたかったので仕入れた「巨人獣」。

最初そのタイトルとプロットを見て、当然「戦慄!プルトニウム人間」の続編「巨人獣」を連想したものの、まあちょっとしたアイデアの借用かなと思ってたら、最後まで読んだところどうやら完全にパク…かなり強い影響を受けて描かれた作品のようです。

しかし、そんな事はどうでも良いくらい、巨大生物が出現した事件をしっかりと描き出していて読み応えがあります。

>寝て起きたらおっきくなっちゃった!の巨人獣ことウタマロ青年。
物語序盤は、衣食住そして排泄に苦戦する生々しい展開。








物珍しさと同情から、わりと好意的に受け入れられた巨人獣でしたが、良くある話でだんだん疎ましがられ始め追いやられていき、絶望する巨人獣。

そんなわりと地味な話から一転、女巨人獣、大阪に現る!
呉越同舟とばかりに手を取り合って人里はなれた場所へ逃避行を図る巨人獣カップルを、黒い陰謀が襲う!

見るも無残な姿に変わり果てるウタマロ!

ちなみに当初、ちょっとした借用と思っていた考えを改めたのは、後半のこれがあったからです。

あと、作者・石川球太先生は以前ここで紹介した「冒険手帳」で、素敵な挿絵を描かれていた人だったという事も驚きました。


  

Posted by チェリー2000 at 23:09Comments(0)マンガ

2011年02月26日

昨日・京・奈良、飛鳥・明後日

中津にはライブハウスだかスタジオだかがあって、他にも音楽を愛する人たちによってイヴェントがもようされたりする都合上、意外に音楽好きな方々が集まる傾向があります。

僕はそれほど音楽に傾倒している人間でないし、ミュージシャンにはある種の欺瞞があるので、あまり音楽の世界に明るくなく、積極的に仕入れないのですが、前述のような事情とサブカル系の店として期待に応えたい思いから、一応仕入れる意思は持ち続けていて、たまに買えることもあります。

そうして先日たまたま買えた音楽系の口に、浜村神の本が混じっていました。

内容はいたって穏やかで含蓄があり、「ありがとう」などで端々に感じる戦前派の骨っぽさは、ライブならではの口滑らせて出てくるものなのかな、と思ったり。

そして、後半まるっきり古事記やら源氏物語やらの話ばかりになっています。
京・奈良の古都に関することが特にお気に入りの浜村神、この当時が一番ハマッてた時だったのかなと思うも、これは別に浜村神の本で読まんでもエエやん、とも思ってしまいます。

しかし、ここに意外な巡り合わせで、いい本がちょうど手元にきました。
それがこちら「超劇画 聖徳太子」です。


このマッチョというか全身コブまみれみたいな人が、誰あろう聖徳太子さまです。
山岸涼子も真っ青の聖徳太子像ですが、ふくしま政美だからしかたない。

それにしても、ふくしま政美ほど紙面上の布面積が小さい漫画家は居ないんじゃなかろうかと思うほど、どの作品も見事な全裸ぶりです。

おおまかな話は、蘇我氏に謀殺された太子が怨念で復活、でも地獄の追手によりすぐ再び死亡、地獄に帰って大暴れ、といった聖徳太子を使う意味が良くわからない内容。

主な舞台である地獄もなぜかハイテクで、このように超巨大コンピュータで「バビーン」と徹底制御されています。


科学の力でもって作り上げられた地獄で、支配者・閻魔大王と釈迦ひきいる革命派の最終戦争が勃発。




ちなみに〝自ら地獄に落ち、この世の毒を一身に吸収した〟お釈迦様の「ヌジャアー」っとしたお姿がこちら。










大怪獣決戦の末に地獄は荒廃の地となってしまいます。

一応いっときますが、これは「聖徳太子」のお話です。
さすが「超劇画」!


その後、荒廃した地獄を統治せんと一計を案じるも大失敗。

尻拭いに自ら決戦に挑む太子に、衝撃の結末が!!!


一言で言うと打ち切りです。
ふくしま作品、このパターン多くないか?


〝音楽もはずせない〟と書き出しておいて、けっきょく変なマンガの話になってるじゃないかとお思いの向きもあるかもしれませんが、ウチはそういう店でおまんねん。  

Posted by チェリー2000 at 17:04Comments(2)マンガ

2010年12月01日

仕事として

朝からちょっとしたバイトに行く。

あまり本腰入れて副業をやるにはイロイロ不都合があるので、細かいメイクマニーできる機会はありがたいのです。
朝から起きて昼過ぎ、仕事終わった頃にはすっかり眠たくなってしまったので帰宅後仮眠。

荷物の片づけを進めようかと思ったけれど、ギリギリまで寝てちょっと買い物すまして開店。

ぼちぼち出来る範囲の整理をしながら仕入れた「万福児」を読む。

幼稚園児のフクシくんの奇行を描いたゆる系ギャグ漫画。
こう書くと「クレヨンしんちゃん」を連想させますが、どちらかというと佐々木倫子っぽい笑いです。

4巻まであるのだけれど、すでに5巻が出てるらしい。
いやあ、仕入れないといけないな。商売として。
  

Posted by チェリー2000 at 23:20Comments(0)マンガ

2010年11月10日

ヘルボーイ

「悪魔くん」というと、個人的に思い出すのは実写版でした。
といってもさすがにリアルタイムで見てたわけではなく、後々に本や再放送なんかで見かけたのが最初の出会いであった、という事情です。

アニメ版を見たりもして、その後いろんなバージョンの漫画がある事を知り、二年位前に単行本の一巻を読んで、興味を持ったのがそれまで見知ってた山田真吾でない「悪魔くん」、松下一郎バージョンでした。

人知を超えた超知性を持ち、そのあまりにも人間離れした知能と感性ゆえに「悪魔くん」と異名をとる少年。
「悪魔くん」はその知能で、古代の神秘の謎を解き、悪魔を召喚し、その力を以って世界を貧困も苦痛も無い楽園に変える大目標を掲げる。

ボクが馴染みの山田真吾くんが、鬼太郎よろしく妖怪退治業に勤しんでいたのに対し、社会派な理想のために命を賭けるの革命児が

この子です。

はじめてみた時は、山田真吾くんが水木漫画に珍しく美少年だっただけに思わずのけぞりました。
しかも頭が良すぎるので、何事にも達観しており、かつ凡人を完全にナメきってて態度が悪い。

とはいえその本質は、人類の平和に献身する覚悟の少年なので、たとえ危険な戦いに身を投じる時も

「やるだけやって死のう」とサラリと言ってのける。
やるべき事がやれないのは、死ぬことより深い絶望だ、という覚悟が感じられます。
アクは強いが実はかなり芯の通ったナイスガイです

カッコいいゼ!松下くん!

物語後半、そんな松下くんが艱難辛苦を乗り越えてついに悪魔召喚の秘密を解き明かします。
で、召喚した悪魔が

こいつ。

どう見ても笑い飯の片割れにしか見えないこの悪魔。
なんとガメツいだけで、なんの力も無いそうな。

が、「最後は悪いやつが勝つ」ということで、悪魔くん(=水木さん)が放逐せんとしたこの世の不平等のてっぺんに登りつめてしまうという皮肉な展開。
わずかに希望を残して物語は終わります。

ちなみに今回読んで判ったんですが、以前僕が読んだのは本作のリメイクにあたる「悪魔くん 千年王国」でありました。
「千年王国」はちゃんと完結してるみたいなので、そっちも読みたいこの頃です。  

Posted by チェリー2000 at 22:53Comments(0)マンガ

2010年09月28日

切る勇気

補充と入れ替えのために、仕入れた本を回収したり、即売会用の本や、不要な本を分けたりしている途中で、週末に買取が続いてしまい、多すぎる弁当を広げてる最中にイタズラケータリングが届いてしまったような恐慌状態に陥っていました。

ここ最近の在庫一掃作戦のなかで感じたのは、ウチの店程度だと変に在庫とか持つことを考えず、自転車操業的に出入りさせ続けるのが一番いい形なんじゃないか、という事です。

とにかく手狭なので、一度積んでしまうとなかなか手を付けることが難しくなってしまい、置いてるうちに更に積み上げてしまう事になり、難攻不落の要塞をうっかり仕立ててしまうという有様。
それを端から切り崩していく果てない作業に埋没してて、けっきょくこの本積んでるだけだったら持ってる意味無いだろう、と気付いてしまったわけです。
今後はもっとスマートにやろう。

持たざるものの美しさ。
余計なものが無いという事は実に身軽で清々するわけですが、こちらは美しくない持たざるものを主題とした作品。

永井豪「オモライくん」です
先日、永井豪の自伝「激マン!」をみて、意外とチェック漏れの多い永井作品を掘り返してみようと、あさって見たうちの一つで、読むのは今回はじめてです。

内容はひたすらオモライくんとその仲間たちのダーティーな生活ぶりを描いたナンセンスギャグ漫画で、こちらの「完全版」ではオモライくんが描かれた当時の裏事情などを併記しつつ、番外的に描かれた数作品も併せて掲載されており、オモライくんを読む上で決定版となっています。


そんなにこだわってオモライくんが読みたいという奇特な人にだけ、垂涎の書といえましょうか。

この作品の永井漫画におけるポジションは、人気があり編集内でも期待されていた「オモライくん」を終わらせてまでも「デビルマン」が描きたい、という永井豪のギャグ作家からストーリー作家への本格転向のターニングポイントであるというところでしょうか。

本当は「デビルマン」の直接の原点「魔王ダンテ」も今回買って読んだんですが、店出しした途端にサクッと売れてしまったので今回は省略。
ただ、アニメ版「デビルマン」企画のきっかけになっただけあって、「魔王ダンテ」のビジュアルイメージがわりとそのまま使われていたのは発見でした。
最後まで続いてたらどうなったのかは気になりますが、「魔王ダンテ」が打ち切られ、「オモライくん」を打ち切ることで名作「デビルマン」生まれたのだと思うと、なるほどそのパワーが結晶したものがアレなんだな、と納得できるものがあります。

とりあえず僕は店で売ろうか、他で捌こうかの宙ぶらりんな在庫をリストラする勇気を持とうと思います。  

Posted by チェリー2000 at 23:41Comments(0)マンガ

2010年09月22日

それぞれに歴史あり

時ならぬ熱帯夜に効きの悪いエアコンが力及ばず、寝苦しさのため起床が遅れてしまったので、他の作業との兼ね合いと普通に真夏日なのもあり、金曜クラブ出撃を断念しました。

そのおかげでむしろちょっと時間に余裕ができたので、ちょっと大型古書店で物色。
大判の「光る風」を発見。
「光る風」は「がきデカ」でお馴染みの山上たつひこが描いたシリアスで救いの無い漫画です。
価格的にもせどりとして成立する物だったのですが、普通に〝読んだ事があるから〟でスルーしてしまいたました。
買っといたほうが良かったかも、とちょっとだけ後悔。
その時は、永井豪の「激マン!」なる本を見つけて、そっちに気が行ってたのでした。

タイトルからしてジャンプでやってる業界内輪ネタ漫画を連想させますが、内容的にはむしろ島本和彦の「燃えろペン」をデフォルメ無しでやってる感じのこの作品。
もはや何番煎じだよ!と思わず突っ込みたくなるところですが、これが永井豪の過去話なので、企画の安易さはともかく興味深いさにおいてはマリアナ海溝級です。

そんな訳で、これまで読んでなかったけどちょっと興味あった永井作品をチェックしてみようかと、ネットで自分が読むのを優先したせどりをする事にしました。

まあ、実際のところ永井作品って、途中でダメになっちゃってるヤツが少なくないので、改めてみてそれほど数は無かったんですが。



先頃の月曜日に模型カフェ・フォンブラウンさんが閉店され、こちらのいくつかのブログを見る限り、最後は常連の方を中心に華やかに送られたようです。
思えば春に確定申告で屈辱を味わった同士として、応援の意味で一度行こうと思っていたのが、暑くなってしまい行けずに居るうちに、まさか最後の見送りに伺う事になるとは。
そういえばあの時の記事にあったアールグレイはメニューに載ってたかしら?

どうもマニアとカフェというと、ゼネプロ内に一時設けられた喫茶スペースがすぐにやめてしまってたり、喫茶「怜」での悲壮な抗争劇だったりと、相性の悪いイメージがあったりします。

でもメイド喫茶は流行ったしなぁ。
メイド恐るべし。
というか、女の子が絡むと男は財布の紐がゆるむのは、オタクでも同じということだろうか。  

Posted by チェリー2000 at 21:20Comments(0)マンガ

2010年08月11日

ラヴレター・フロム・彼方

先日の市会にて、大量の振りにすっかりダレきって、開始額でそのまま落ちることも多くなった頃、あえて超低温の気炎を吐いて落札した、ハンパなマンガの束数本口。

一応、狙いとしては「コミック キュー」が5冊ほど入っていたのを見つけたので、後はイケる所だけ抜いて適当に処分しようというワケです。

大抵は端本ばかりで、ヤケ・褪せの酷い物も少なくありませんでしたが、うまいこと揃ってたのがこちら。

真夏の夜に調度良すぎて怖くなる、つのだじろう「真夜中のラヴ・レター」です。

物語の軸となるのが、この頭に小ぶりなバウムクーヘンを大量にくっつけた、見るかに只者でない霊能婦人、七条絵夢。








この作品には他にも霊能者が出てきますが、実在の霊能者をモデルにしたルポ形式という体裁のため、つのだ先生ご自身も登場しています。


時には、理解力の無い依頼者に言葉を失うことも。

この気味の悪い絵を描いた真意を問う家族。
〝見たままを描いたのかも〟と返すつのだ先生に対し










つのだ先生、良い表情です。










全編を通して〝霊の存在を認めないのは、非現実的で危険である〟というスタンスで警告を叫ばれており、また、作中の読者からの手紙によると、掲載誌が「週刊女性」らしく、性にまつわるエピソードも多く出てくるのも、「恐怖新聞」「うしろの百太郎」くらいしか、つのだ作品を知らない身としては目新しいものがありました。
といっても作品は相当古いですけど。






あと、ゲストキャラなどかなりの箇所をアシスタントが描いており、まったくタッチの違う絵が混在しているのも目に付きます。
絵としてはアシの方が器用で達者な感じですが、つのだキャラは圧倒的に存在感があり、〝良い絵〟になっています。

やっぱり絵は力ですね。

最後につのだ先生のご尊顔を。






ちょっと演歌歌手っぽいです。  

Posted by チェリー2000 at 23:01Comments(4)マンガ

2010年07月28日

超人ガッツでやってみな

今回は「アストロ球団」のご紹介。

買ったのはちょっと前なんですが、その時紹介しなかったのは、カルト漫画としては代表格、近年ドラマ化されたりした事もあって、かなり著名な部類に入るので今更かな、と思ったからです。

その昔、「大槻ケンヂのANN」でも〝真夜中のアストロ語講座〟というコーナーのネタ元となるほどに、無茶を通り越してシュールな野球漫画、それが「アストロ球団」です。

野球漫画ではありますが、この作品では〝超人〟という重要で特異な要素があります。

〝不世出の大投手・沢村栄治の怨念と妄想が生み出した野球超人の宿命を背負った体にボール形のアザを持つ9人が、沢村に因果を含まれた比人に導かれ、打倒・大リーグをめざす〟
という基本設定を持つ「アストロ球団」。
まず驚くのはその連載期間で、実に四年間に渡って少年ジャンプで連載されていました。

これの何が驚くって、四年もやってて3試合しかしてないという事実です。
〝まず常勝巨人を破り、はずみをつけて米大リーグへ!〟という初期の目標から考えれば、ある意味一試合もしてないと言ってもいいくらいです。

3試合のうち、「ブラック球団」「ビクトリー球団」は対戦相手を再起不能にすることを目的にしてるだけに、どうやってシバいたろかしか考えてなく、もとより野球をする気が無いし、唯一まともなロッテでさえ、アストロワンがスカイラブ投法を会得したと見た途端、ビーンボールで潰しにかかるありさま。

だいたいにおいて、アストロ超人がピンチに陥るのは、プレイ内容でなく交代要員がいない(というかスタメンも揃ってない)選手が満身創痍になる点だったりするので、まるで野球をしてるように見えません。

沢村投手、補欠の超人も用意しといたら良かったのに。






あまりにも無茶過ぎたので、最終的に川上監督の策謀により球界から追放されるという憂き目に会います。
日本はおろか、野球リーグがあるどの国でもプレイできないという境遇で、彼らの導き出した結論は…

シュウロの激しいミスリードに、満面のスマイルのアストロナイン。

ダメだこいつら。  

Posted by チェリー2000 at 11:30Comments(4)マンガ

2010年07月25日

たぶん世界一の泣き虫ロボ

ジョージ秋山の伝説的ロボット漫画「ザ・ムーン」を、例によって儲け度外視の読んで出し用入荷。

棚は濃くなるがあまり商売にならないのが難点ですが、お金のかからないレジャーと思えば許せる感じでしょうか。

まあ儲からないまでも、簡単なご紹介を
この「ザ・ムーン」は前述の通りロボットものです。
魔魔男爵という飛び抜けたてっぺんハゲの大富豪が金にあかせて作らせた巨大ロボが主役メカです。

ザ・ムーンの勇姿!

〝神は死んだ!〟ので神に変わる〝正義を発明した!〟、でそれが〝正義は力だ!〟ということで巨大ロボなワケです。
ジョージ秋山らしいペシミスティックな主題をかかげると同時に、まずロクな事にならないだろうな、と予感させる導入です。

それをただの子供たち9人に託します。
託しておきながら、子供たちは普通に日常生活を送ってます。
当然、しばしば命を狙われるし、たのみのロボは9人揃わないと動かないので、作品全体をみてもあまり活躍しません。
一応、護衛役に超強い「糞虫」という名のドM忍者が付きますが、それでもけっこう死にそうな目にあいます。

どうも、男爵はロボを作っただけで満足で、あとは適当に投げっぱにして、どうなるか観て楽しんでた節があります。
実際、ロボの紹介ではノリノリなのに、その後はだんだん関わりが薄くなっていきます。


「ザ」
「ムーン!!」
大事なことは繰り返し、声に出して指差し確認!
基本です。

タメは作らなくていいけど、やったほうがたぶん楽しい。
子供たちも真似してましたし。

何事も楽しんでやるのが続ける上で大切です。

困ったことに、「ザ・ムーン」は具体的な敵を想定して作られた物ではなく、上述のようになんとなく作りたくて作った物なので、その後の漫画的展開のために無理に敵が湧いて出てくることになります。
しかもジョージ先生、欲張って色んな主張を放り込むために、目的の違う敵に変えていかないとならなく、挙句の果てにいきなり宇宙人襲来という苦しい展開に。
そこまでやりながら、けっきょくどの要素も消化不良で終わってる感が否めません。

ユニークな作品として噂のある「ザ・ムーン」ですが、実際のところはそこまでカルトな感じでもないかな?
ツッコミ代は多いのですが、たんに詰めの甘い感じで、展開そのもののアストロ感は濃厚とまではいきません。
もしくは最近ヘンな漫画読み過ぎで、僕が慣れてしまったのかもしれませんが。  

Posted by チェリー2000 at 20:24Comments(5)マンガ