2013年06月30日

納涼ホラー大会「クリスティーン」

徳永英明の代表曲「壊れかけのRadio」によると、〝何も聞こえない、何も聞かせてくれない〟ラジオは僕的には完全に壊れたラジオなんですが、レイディオ的にはまだ持ちこたえていると解釈するようでモヤモヤします。

さて、納涼ホラー大会第二回は壊れても壊れても蘇るゾンビのような車、しかも女、しかも殺人鬼という意外性のデパート映画「クリスティーン」です。

監督は好きになって追いかけても捕まらない方のJCことジョン・カーペンター。

機械好き・車好きの気弱ないじめられっ子が、たまたま見かけたボロ車に惚れ込んで周囲の反対を押し切って入手。
丹念な改修によりもとの輝きを取り戻した愛車にぞっこん、そのうえ自分にまで自信を持つようになりハッキリ物を言えるようになったり、彼女が出来たりとブルーワーカーの広告みたいなサクセスぶり。
しかし実はいじめられっ子の変化は魔性の車〝クリスティーン〟に取り憑かれたせいだった…というのが導入。

この映画の主人公はクリスティーンに魅入られたオタク少年なんですが、物語を進行させるもうひとりの主人公にオタク少年の親友であるアメフト選手がいて、取り憑かれた友達を引き戻そうと奔走します。

だいたい映画監督なんかになるような奴はオタクで、かつて学園ヒエラルキーの底辺をさまよってきたが故に、その恨みを晴らさんと映画の中では低脳で下衆な人間として描かれ、引き立て役として犬死させられがちなのがアメフト選手なんですが、この「クリスティーン」では〝正しいジョックス〟という〝きれいなジャイアン〟みたいなのが設定されている点がちょっと珍しい。

他に主人公の両親、イジメ現場に乗り込んだ教師、クリスティーンの売主、工場のオーナーなど、大人が堂々としていて強いのも最近では見られないもので、こういう点もいかにも男気監督カーペンターらしい。
〝子供は子供、半人前に遠慮する必要はねえよ〟という(妄想の)声が聞こえてくるようです。

原作はお馴染みスティーブン・キング御大。
大筋はウブなボウヤをたぶらかした性悪女が、邪魔な周りの人間に危害を加えて回る話なので、御大も似たような経験があったのかもしれませんね。

基本的にはいじめっ子に対する報復がメインになっているため、ハラハラとか恐怖感を煽るよりも〝がんばれ!クリスティーン〟となってしまい、このへんは同じくキング原作「キャリー」とも通じるところですが、「キャリー」はイジメと母親とシシー・スペイセクの顔が怖いのでホラーとして成立してましたが、「クリスティーン」はそういう病的な要素が無く、わりとカラっとしてるのでホラーとしてではなくカーペンター映画としてみるべきかもしれません。


ちなみに僕は今回見直すまでクリスティーンを間違ってオープンカーだと記憶していました。
こういう事はしばしばあり、〝思い出せそうで思い出せなくてやっと思い出せたけどちょっと違ってる〟というジャスト壊れかけのおっさんな感じでモヤモヤします。  

Posted by チェリー2000 at 16:50Comments(4)映画