2020年01月12日

In Other Words

松も明けまして、すでに新春感も皆無でありますが古めな作品ばかりだったので、“新しめの作品も観てるぞ”という言い訳めいた泣きの一回のお座敷劇場、「ファースト・マン」。


新しめのと言っても一年前ですけど。

だいたいご存知でしょうが、人類初の月面着陸野郎アームストロングさんの伝記映画です。
この辺りの“ロケット頑張ってとばしまっせ映画”は100万回観てるワケで、結果も知ってるし観たことある画面ばかりだしで、もう新鮮味ではまったく勝負できないのにタイトルが「ファースト・マン」。
ボケにしか思えない。

しかし観進めていくと、ちょっとベクトルの違いを感じだします。
アームストロング船長のテンションが低い。
前人未到のハイジャンプを決めようというような高揚感が無い。

結局、この手の映画に付きものの派手な映像も音響も、スリリングなアクシデントも、成し遂げた偉業を称えることも重要でなく、ミッションは娘を失ったモヤモヤに整理をつけるためで、アームストロングにとっては極めて個人的な行だったという、まったく別のテーマを持った作品なのでした。

さあ、アームストロング船長は無事ミッションを達成し、地球に帰ってこれるのでしょうか。

ちなみにタイトルがエンドロールに小さく出るんですが、やっぱりボケっぽくなるのを気にしてるんじゃないでしょうか。  

Posted by チェリー2000 at 23:12Comments(0)映画

2020年01月05日

昭和ブルース

人間には2種類あります。

ヤクザ、ヤンキー物で感動できる人間とそうでない人間の2種類が。


僕は嫌いです。

嫌いなんですが、古いヤクザ映画に関しては観ることもあるのは、濃い役者の濃い芝居が見れる点に惹かれるからなのです。
ということで今日のお座敷劇場は菅原文太主演「懲役太郎 まむしの兄弟」。


僕的に菅原文太といえば「トラック野郎」シリーズの桃次郎。
桃次郎をよくご存知ない方のために大雑把に説明すると、寅さんに凶暴性を足して童貞臭を抜いた人物で、抜いた荷物を土産にトルコ風呂に繰り出し、乳飲み子の世話をしてる嬢とコトに及ぶといった粗雑さです。

現代的価値観でみると地獄絵図ですが、それも厳しい現実を生き抜く図太さ、逞しさとして笑い飛ばす感覚で、当時は週末のテレビで普通に流れてました。

そんな時代が悪いのか、それとも俺が悪いのか、割とセンシティブな事柄についても細けえことはいいんだよ節でぶん投げがちな昭和のおっさんな僕なんですが、反社会的勢力はフィクションでも嫌いなんですな。

この「まむしの兄弟」の菅原文太はコメディと言うこともあってか、ほぼ桃次郎と同じキャラクターなんですが、話自体は典型的ヤクザヒーロー物でどうも受け付けませんでした。

ここで我ながら不思議なのは、高倉健の任侠モノは別に嫌いじゃないし、田宮二郎の「犬」シリーズなんかはむしろ好きだったりすることで、必ずしも反社だから駄目って訳でもない点です。

人間、自分に心当たりある悪事には寛容になるものらしく、逆にあまりにも自分と無関係な悪事に対しても鈍感だったりするようです。

そうすると僕のチンピラ・アレルギーは、昭和のヤンキー全盛時代に対極で10代を過ごした必然と言えるかもしれません。

なのでここは胸を張ってフォントを大にして言いたい
「この映画は好かん!」  

Posted by チェリー2000 at 20:06Comments(0)映画

2020年01月02日

暗くて深い河がある

今日のお座敷劇場は「ウォッチメン アルティメットカット版」です。


“珍しく立て続けの更新じゃねえか”とお思いかもしれませんが、何故それだけの時間があるのかという事情をお察しください。

僕のお気に入りアメコミヒーロー物である「ウォッチメン」が、より原作に近い形になったアルティメットカット版。
最大の違いは劇中漫画の「黒の船」がアニメで挿入されている点でしょうが、正直そんなにいるかなぁと思わなくもありません。
精神科医のパートを増やしたほうが良かったかとも。
なんにせよその結果、三時間半を超える長編となりました。

ぶっちゃけ原作の情報量を一本の映画に落とし込むのは無理なので、このバージョンの存在意義は微妙かもしれませんが、“より完全な形を”と望まれるのは、これも作品が愛され続けている証左ということで未見の方はまず通常版からでも是非、そして出来れば原作にたどり着いて頂きたい。


あとオマケで、見る機会が限られると思うので紹介するのもどうかと思うのですが「八岐之大蛇の逆襲」。


半年ほど前に数十年ぶりに観た印象は、怪獣映画というより青春群像ドキュメンタリーとして感動したのですが、今はだいぶビターな感じになってしまいました。

まあそのへん踏まえた上でも、アマチュアのまだ何者でもない若者たちが、純粋で怖いもの知らずの情熱をほとばしらせこれだけの作品を結実させた事実が変わるわけでないので、人生いつでもチャレンジだと大変勇気をもらえる映画だと思います。  

Posted by チェリー2000 at 23:48Comments(0)映画

2020年01月01日

新春お座敷劇場

皆様方におかれましては、明けましておめでとうございましょうか。

年明け5分でドリ蔵の祝砲が炸裂し、毛布とシーツとタオルケットをゲロまみれにされ深夜の洗濯を余儀なくされたシケシケ謹賀新年の我らがぷれこぐ堂は、季節感もへったくれもなく本日も通常営業しております。

まあ、元日に古本屋に行こうなんて酔狂な人はそう居ないので、こちらも開店休業のつもりでのんびりやらせていただく所存で、僕がお家で楽しむ景気のいい正月映画でもご紹介させていただきます。

渡瀬恒彦主演、深作欣二監督作品「暴走パニック 大激突」。


関西を舞台にしたピカレスク・ロマンにして、邦画には珍しいカーアクション映画です。

なぜ邦画にカーアクションのイメージが無いかといえば、やはり爽快なバカ速度で突っ走る系の王道カースタントができないからだと思うのですが、この作品では車がこんがらがってもつれて転げ回るという、危険度の割になんかもっさりしたユニークな演出に行き着いた模様。

反面、関西人というか大阪人のイメージを著しく損ないそうなかっ飛ばした描写はいっそ爽快で、登場する底辺の人たちもカラッと描かれてて暗さがなく実に正月向きじゃないでしょうか。
今はなき梅田東映が見切れてたり、界隈に覚えがあればなお楽しめると思います。

明日も多分、通常営業でいけると思いますのでヨロシクどうぞ。

  

Posted by チェリー2000 at 19:39Comments(0)映画