2011年03月30日

それでも地球はまわってる

大荷物を処分しつつ、先日仕入れた本の一部を回収。

洋書中心のSF本を紐解きながら眺めます。
SFの文学としてと思弁性などについては十分評価しているつもりですが、それでもSFというジャンルにおいて重要な要素として絵が欠かせないと信じる僕としては、英文は読めなくともこうしたグラフィカルな本を見るのはとてもエキサイティング。
例えて言えば、コスモに浮かぶたった一つのオアシスです。
もしくは阿木 燿子。

その中で目を引いたのがこちらの一冊。
「DREAM MAKERS」





〝SIX FANTASY ARTISIS WORK〟とある通り、6人の画家が描いた超現実系イラストが掲載されているんですが、僕が思わず唸ったのはこのペン画。





ものごっつい描き込み。
しかもこの手の多数のオブジェクトを描き分けるのに、日本で最もポピュラーな漫画のペン画技法ならクロスハッチ(カケアミ、アミナワ)とドット(主にスクリーントーン)などの技法そのものを変えて質感の変化に対応させるくらいだと思いますが、この画像ではわかりにくいですが、ほぼ完全に線の太さと密度のみで描ききっているのです!

これには質感の理解と、それに対応する表現法のバリエーション、なにより積み重ねた自身の技術への信頼がなければできません。

この一枚絵(見開きだから実際は二枚)ひとつでも十分気が遠くなりそうな感じですが、それどころじゃないクンフーの積み上げがその背景に存在することを感じるに、「匠」の文字が脳裏に浮かびます。

近年、道具の進歩でつけペンが使えないプロ漫画家も多いと聞きます。
パースひとつロクに理解してない新人も少なくない、そんな声を聞くこともあります。

まあマンガは絵は上手いに越した事はないくらいで、魅力のひとつでしかないのかもしれません。
しかし前述の通りSFは絵であると僕は思います。

あんがい日本でSFがイマイチ市民権を得ないのは、マンガやアニメみたいなメジャーなところで表現する側に厚みのある絵作りが出来ないからなんじゃないかと言ったら暴言でしょうか。暴言ですね。

生意気を申しました。


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Posted by チェリー2000 at 22:07│Comments(0)SF
 
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