2014年01月15日

激闘、100〈ワンハンドレッド〉!

僕はおもに接客関係の仕事をすることが多かったのですが、なるべく趣味に近い業種にすることで金儲け仕事のストレスを和らげようとしていました。
しかしそんな中でも客層の幅が広いほどややこしい客が多かった印象があります。

数々の修羅場の中で僕が学んだクレーム処理の秘訣は「下から入って目指すは引き分け」です。
僕の提唱する人生プロレス論に照らせば、店員は〝若手ベビーフェイス〟として立ち回るのがベスト。

とはいえ、店員も人間、いつでも綺麗に受身が取れるという訳にはいきません。
不意に、意外な角度で投げられることもあるのです。
いつものごとく貧乏人の生命線、百均で小物を買おうとレジに並んですぐ、前の人が会計を済まして去るが、店員の「つぎお待ちの方」の声で異変に気付く。
僕以外並んでない状態と思いきや、となりのレジに並んでるおばちゃんの存在がここに突如カットインしたのです。

どうやら隣のレジは何らかのトラブルで閉鎖中、それを無視してそっちに立ったおばちゃんを〝次のお客さん〟として誘導しようとするが、おばちゃん頑として動かず。
にわかに険悪な空気がピンと張り詰める。

僕はエアーリーディング能力ですかさず危機を察知し、強力な善意の第三者フィールドを張り巡らしてシェルタリング、成り行きを見守る体勢に。

ちなみにこの店、百均でありながら店員がワイシャツ・スーツ系で、レジのおばちゃんとお兄ちゃんはパート店員というよりは本社勤務社員で、現場研修部門みたいな店舗なんじゃないかと思わしい。
そんなプライドが邪魔してか、「そちらはレジが使えないのでこちらでお願いします」と、この期に及んであくまで客の遠隔操作にこだわり、対するおばちゃんは一気にお客様意識が肥大化、「そっち持って行ってくれたらアカンのん」とサービスを要求。

カゴを移す店員、レジを移るおばちゃんは会計する兄ちゃんにいちいちイチャモンを付ける。
おばちゃんと兄ちゃんの店員は感情を殺した無表情で、最低限の対応を守り抜いて送り出す。

ピリピリムードを尻目に、「気の効かん店や」の捨て台詞を吐いておばちゃん退場。


高級店とかならいざ知らず、100均というリングの性質を鑑みれば総じておばちゃんの傍若無人さが目立つやりとりでしたが、店員もあの応じ方をしていては心が持ちません。
プロはリングに上がり続けてこそプロなのです。

あの場合の正解は、頭を〝店員ごっこ〟に切り替えて慇懃無礼な笑えるくらいのレベルで丁寧に接客。
最後は周りに客が居ないのを確かめてから、ニッコリ笑って〝死ねばいいのに!〟で決まりです。

客と店員では戦力差は歴然、勝つことの無い戦いに挑むとき、負け方を選ぶ事で勇気を示すことが肝要なのです。


さて、偉そうなことを書き連ねましたが、そんな凄惨な戦いにすっかり嫌気が指した僕は戦場を離れる決断をします。
本屋ではそういった事が皆無だったのも古本屋を選んだ理由のひとつで、実際はじめて今月でまる五年になりますがこれまでこれといった揉め事やひどく気分を害するような出来事はありません。

そしていま、みんなストレスを引き受けてお金貰ってるんだなということを痛感しておるのでした。


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Posted by チェリー2000 at 20:50│Comments(11)よもやま!
この記事へのコメント
ウム…。そういえば私もストレスを引き受けて給料を貰ってましたね。
確かに神経を磨り減らしました。

しかし、ストレスを引き受けないと実入りも少ない…。
どちらを選ぶか?

高級店なら店も客も余裕があるから、こういう場面は無いかも知れませんが、違うストレスがあるような気もしますけどね…。
Posted by あしたのサイキッカ― at 2014年01月16日 04:52
どの人も悪くないですよね。
次の番だった、ぷれこぐさんが、善意の第三者に徹したことが、店員にとって幸いなことだ;ったと思います!
ぷれこぐさんがごねていれば、それはそれで、ストーリーとすれば、面白くなりますが・・・

小説家並みに上手い文章ですね!!
Posted by sakitamaの母 at 2014年01月16日 11:25
> あしたのサイキッカ―さま
楽な仕事は無いという当たり前を再認識する日々です。
田舎で自給自足を夢見て退職していった企業戦士たちも、きっと同じような心情なんじゃないかと思いますね。
Posted by チェリー2000チェリー2000 at 2014年01月21日 22:37
>sakitamaの母さま
まあ敢えて言うならみんなもう少し思いやりがあれば良かったですね。
人間いったんヘソ曲げてしまうと頑なになってしまいがちだという事を自覚して、こういう場面では先に大人になったもん勝ちだと心に決めて生きて行きたいものです。
Posted by チェリー2000チェリー2000 at 2014年01月21日 22:42
絵に描いたような大阪のあつかましいおばちゃんに対して
マニュアル通り以外の事は出来ない店員では、とてもかないませんね!
そうです!!思いやりの心がとても重要です。

私も、職種を間違えたんちゃうん~って思うムカツク店員によく遭遇しますが、安い店では、安さが最大のサービスって割り切って、ムカツキを静めています。
Posted by sakitamaの母 at 2014年01月22日 11:25
人間いつも同じ調子ではないし、問題も同じ角度から来るとは限りませんから難しいところです。
お店のグレード以上の接客を期待しないほうが無難でしょうね。
Posted by チェリー2000チェリー2000 at 2014年01月27日 00:39
ぷれこぐ店長のこの回のブログを読んで、このサイトの記事を思い出しましたよ。↓
http://allabout.co.jp/gm/gc/396581/

結局、ストレスをためないようにオンとオフの切り替えを大切に!って事だったので、ぷれこぐ店長オススメの、『誰もいない所で…』の対処法は、ある意味正しいということではないでしょうか(^o^)
Posted by Q at 2014年01月28日 05:13
お、URLにクリックで飛べませんね、タイトルを書いておきます。

「感情」を使う仕事につく人の「心」の守り方

というタイトル記事でした
Posted by Q at 2014年01月28日 05:18
拝読しました。
考え方の方向性としては似てますが、方法論はまったく違いますね。
人間オンオフを機械的に切り替えるのは難しいし、結果的にそれがオン時への恐怖心を強めることにもなりかねません。
この方法で潰れていった人を僕は何人も見てきました。

僕の方法論は接客時には〝自分ではない誰か〟になるというものです。
「店員」をパロディとして演じることで自分の中で冗談にしてしまう訳です。
虐待されてる子供が〝虐待されてるのは自分じゃない誰か〟を作り丸投げして自分を守るのに近いです。

その後のケアとして客への悪態ですが、これは「誰も居ない」よりは同じ気持ちを共有できる同僚の前でやるほうが、癒し効果と冗談化効果が増すと思います。
それもリアルな愚痴を長くより「死ねばいいのに!」くらい思ってもないレベルで極端に切り捨てるほうが効果的だと思います。

でもプロとしてコンプライアンスを保守すべく「客の居ない」ところであることが絶対条件です。

とはいえ、この方法も〝物事を冗談として捉える〟という資質が必要かもしれません。

でも一番接客業に向いてるのは、こういったトラブルを〝まったく意に介さない〟という資質を持った人ですね。

たまに居るんですよね、そういう接客鉄人。
Posted by チェリー2000チェリー2000 at 2014年01月30日 16:40
拝読しに行って頂いてありがとうございます!
そうか、「オンとオフの切り替え」をするではなく、「自分ではない誰かになる」のですね。勘違い失礼致しました!
確かに、いくらオフでリフレッシュしまくってもオンの悩みはそのままですもんね。万年五月病になりそうですね。

私自身何年か接客業をしていましたが、上手くストレスに対処できなかった口でして、これからそういう職に就いたら「自分ではない誰かになる」方法を試してみたいと思います。

アフターケア、「誰もいない」ではなく「客のいない」所でしたね。
前記の仕事をしていた時の忘れられない思い出があります。
私がちょっと「ややこしさん」なお客に当たってしまい、対応が終わってから『とっほ~』と脱力していた時、一緒に働いていた女の子がエラソーに帰っていくお客さんの背中をじっと物陰から見ていたかと思うと、私にだけ聞こえる声でボソッと、まさにあの一言を!杏ちゃん似の美人さんから発せられた「死ねばいいのに」。めっちゃインパクトありました。直後、嫌なお客さんが去った後に残るはずだった重い空気は、その言葉の破壊力の前に消え去り、彼女と私は『たはは』と微笑みあったのでした。
彼女は一時期子育てでその職から退いていましたが、最近また同じ職に就かれたそうです。彼女はきっと「接客鉄人」に違いないです!
Posted by Q at 2014年01月31日 00:11
接客とか営業とかは誰でも出来るようで、実はかなり向き不向きでる職業だと思います。
その意味では自分に合ったやり方はけっきょく自分でキツイ思いをして見つけるしか無いのかも知れませんね。
Posted by チェリー2000チェリー2000 at 2014年02月05日 23:25
 
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