2015年02月18日

おもしろき こともなき世を おもしろく

ちょっと間が空きましたが、例によっていまさら映画鑑賞記の続きでお茶を濁します。


おもしろき こともなき世を おもしろく
今回は「地獄でなぜ悪い」

勘違い映画青年たちと、娘を主演女優にしたいヤクザの思惑が、組の抗争に絡んで珍妙な血まみれ大撮影会に発展していくという園子温監督のコメディです。

園子温の例の悪ノリ作品といえばそれまでですが、このお話にはモデルになる実話が存在すると聞いたことがあるので、単に荒唐無稽と切り捨てられないかもしれません。
まあ「愛のむきだし」と同じく、あくまで着想のキッカケ程度だと思いますが。

タイトル言うところの“地獄”とは、撮らない映画青年・平田が唯一無二の一本を撮るためならば倫理も危険も度外視して突入していく“映画 地獄変”とでもいうべき作家の業の深さと、小さく収まるくらいなら後先考えずハチャメチャな方が楽しいじゃんという快楽主義的な意味合いを表したものと思われます。

まさしく作中の登場人物はことごとく社会生活不適合ダメ人間ばかりで、もうそもそもに地獄に行くしか無い亡者どもをしかし、むしろ活き活きと描き切ることで“なぜ悪い”と、うそぶいて見せたわけなんでしょう。

確かに平田青年はとにかくハイテンションで、目の前の現実から目をそらしまくって今を謳歌し続ける姿はムカつく反面、爽快でもあり応援したい気持ちにもなってくる良いキャラに描けてて、突然降って湧いた映画製作話に対し「俺は一本も撮ったことのない青二才だぞ!」と言い切るところなんか“ソコはわかってんのかよ!”とツッコミつつ共感してしまいます。


他のキャストもなかなか素材の良さを活かしていて、國村隼はいつもの國村隼だし、堤真一も、星野源も坂口拓も、ちょい役の板尾創路、諏訪太郎までもが、みんないつもの感じで“根っからこういう人なんじゃないか?”と思わせる画面との親和性の高さがいい感じです。

ただ、友近のいつでも悪ふざけ芝居があんまり好きじゃないので、そこは減点。


総じて面白く観れましたが、“本物の出入りを映画として撮影する”という、すっ飛んだアイデアを十分に処理できていたか、あと何で血飛沫にCG使ったのかについてはちょっと疑問ではあります。

5段階で3。

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Posted by チェリー2000 at 01:36│Comments(0)映画
 
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